肉を食べて小太りに――和田秀樹医師に聞く60歳からの「ボケない習慣」
画像を見る スマホよりも手書きにすることで脳の活性化につながる(写真:アフロ)

 

■毎日手書きで予定を書く

 

「毎日、その日の予定や何をしたかなどを手帳に書く習慣をつける。スマホでスケジュール管理をするのではなく、手で書くことが脳の活性化につながります。脳が老化してくると意欲が低下するので、毎日やりたいことを一つ決め、それを実行することも大事。毎日字を書くことも、ボケ予防になります」

 

■肉を食べて小太りに

 

「高齢になると、脳の神経伝達物質であるセロトニンという“幸せホルモン”が減少し、気力や意欲が低下する傾向があります。これはうつ病の原因にもなって、脳の老化を早めます。セロトニンを増やすためには、タンパク質を意識的に取ることが必須。肉にはセロトニンの材料となるトリプトファンという必須アミノ酸が豊富に含まれているので、60代以降の人は特に食べたほうがいいです。コレステロールを気にする人が多くいますが、数値は250 mg/dLぐらいまでであれば大丈夫です。私は精神科医として、これまで6千人以上の高齢者と向き合ってきましたが、やせている人より、小太りくらいの人のほうが肌ツヤもよく、健康的で長生きされていますよ」

 

■たまには大金を使う

 

「自分の楽しみのためにお金を使う喜びは、脳にとってもごほうびになります。たとえば、毎月1回、高級レストランで奮発しておいしい料理を食べる。あるいは、海外旅行に出かけるのもいいし、高級な温泉旅館に宿泊してみるのもいいでしょう。

 

大金を使うドキドキ感、そして満足することで得られる幸福感が高まり、前頭葉も活性化します」

 

■毎日必ず散歩する

 

「日々の散歩でコースを変えて歩いてみると、新たな発見があったり、今度あの店に行ってみようと意欲が湧くことにつながります。目に入ってくる景色が毎日変わることで、前頭葉のいい刺激になるのです。同時に、歩くことは足腰を鍛える基本的なトレーニングになるので、生きる力にも影響します。毎日の散歩を欠かさないようにしましょう」

 

■嫌なことはやらなくていい

 

「60歳からは無理して嫌なことを続けたり、我慢する必要はありません。自分の欲を過度に制限することは大きなストレスとなります。ストレスが蓄積すると免疫力の低下を招き、病気になりやすくなる。できるだけストレスを遠ざける生活を実践し、免疫力を高めましょう」

 

老後をイキイキと生活していくために、ターニングポイントとなる60代に今から備えよう。

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