■意識的にビタミンB6が含まれる食品を摂取
大腸がんリスクの低下が期待できる食品群があるという。
「これまで、さまざまな研究機関が大腸がんリスクを下げる食品の研究を進めてきました。それらによると、飲酒とは関係なく大腸がんリスクを下げる食品として推奨されるのは、食物繊維やビタミンが豊富な(1)野菜や果物(2)玄米や全粒穀物(3)豆類やナッツ、良質なタンパク質が含まれる(4)赤身魚や鶏肉、カルシウムが豊富な(5)乳製品などです」(大西さん、以下同)
こうした食品のなかで、とくに飲酒前や飲酒時に、積極的に摂取したいのが“ビタミンB6”を多く含むものだという。
「国立がん研究センターの研究では、1週間に純アルコール量で150グラム以上(毎日、ビールロング缶1本以上)飲酒する方において、ビタミンB6の摂取量が多い人のほうが、大腸がんになるリスクが低いことが明らかになっています」
なぜ、ビタミンB6の摂取が大腸がんリスクを下げるのか。
「ビタミンB6は、体の健康を保つために必要な酵素の生成に欠かせない成分で、大腸がんなどの細胞増殖を抑制する働きもあると考えられています。
しかし、アルコールを摂取するとビタミンB6の吸収が妨げられ、かつ分解されてしまう。
それを補うために、アルコールを多く摂取する人は、意識的にビタミンB6が含まれる食品をとる必要があるのです」
栄養不足に陥りがちな高齢者やダイエット中の女性などは、ビタミンB6が不足しやすいので注意。
あまり耳慣れない“ビタミンB6”だが、どんな食品に含まれているのだろうか。
穀類なら玄米にもっとも多く、魚介類ではカツオやマグロなどの赤身魚、野菜類ならししとうやブロッコリーなど。そのほか、ゴマなどに多く含まれる。