食後の胃もたれ、みぞおちの焼けるような痛み…それ「機能性ディスペプシア」かも
画像を見る 胃もたれを“いつものことだから”と放っておけば、最悪取り返しのつかないことになるかもしれない……(写真:siro46/PIXTA)

 

■放置しているとがんを見逃すことも……

 

「治療には、内服薬を使用します。主に、胃酸過多を抑える薬、胃の動きを整える薬などを処方します。それでも効果が見られない場合は、漢方薬であったり、心理的ストレスが強い人には抗うつ薬など、心療内科で使われる薬を用いる場合もあります」

 

機能性ディスペプシアは、ストレス、睡眠不足、運動不足、不規則な食事時間や偏った食事など、生活習慣の乱れが原因で起こる。そのため、症状の改善にはこれらを見直すことも重要となってくる。

 

そこで石岡院長に、機能性ディスペプシアにならないための3つの予防・再発防止策をアドバイスしてもらった。

 

【1】食事

「アルコールやカフェイン、チョコレート、刺激のある食品や脂っこい食べ物などを控える」

 

【2】規則正しい生活

「睡眠をよく取ること。自律神経を整えることは、胃の症状改善に有効となります」

 

【3】ストレス回避

「このストレス社会において、ストレスをゼロにすることは難しい。それでも何か、自分なりのストレス発散法を見つけて、できるだけため込まないようにすることが大事です。たとえば、軽いランニングなどの運動習慣も症状の改善に有効であることが知られています」

 

機能性ディスペプシアは、命に関わる重大な病気に発展することはないという。とはいえ、勝手な自己診断で“大丈夫だろう”と、放置してしまうと、症状をこじらせて痛みがより強くなり、仕事を休まざるをえないような症状へと発展する可能性もあるそうだ。

 

「胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの病気でも、機能性ディスペプシアと似たような症状が出てくる場合があります。自己診断で放置したままでいると、これらの病気を見逃し、進行させてしまうことにもなります。

 

取り返しのつかないことにならないためにも、症状が長く続く場合は、一度、消化器内科を受診することをおすすめします」

 

もともと機能性ディスペプシアを発症しやすい要因を持っている人の場合、胃に負担をかけすぎると、発症の引き金になったり、落ち着いていた症状がぶり返して強く出ることもあるという。

 

この年末年始、暴飲暴食をした人もいるだろう。もし胃の調子が慢性的に悪い状態が続いていたら、この病気を疑って、早めに検査を受けることだ。

 

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