■目の性能自体を上げるのではなく、脳の処理機能を向上
今回紹介する千円札トレーニングは、目の性能自体を上げるのではなく、脳の処理機能を向上させるのだ。
「老眼や近視で目を細めて見ることも、できるだけ鮮明にモノを見ようとする行為ですが、こちらはむりやり目のピントを合わせているだけで、実際は脳を使えていないため、まったく別の行為です。
ガボール・アイは、目ではなく脳の処理機能を高めるため、老眼・近視の両方に効果的なのです」
千円札トレーニングは、ガボール・パッチ理論をもとにした平松先生が考案したセルフケアで、視力回復ガボール・アイの1つの方法だ。
ガボール・パッチと同様に少し見づらいお札の透かし部分を見ることで、ぼやけた画像を鮮明に補正する脳の機能を高めてくれるという。
「疲れが出やすい就寝前に行うのがおすすめですが、やればやるほど効果が期待できるので、早く視力をアップさせたい人は、1日に何度か行う(上限10分)のがいいですね」
■老眼を放置していると認知症リスクも高まる
ところで、近視は眼鏡をかけて対処することが多いが、老眼は仕方がないと放置しがちだ。しかし、老眼をそのままにしておくと、眼精疲労を引き起こし、肩こりなどの体調不良にもつながるという。そして――。
「ヒトは物事を判断するときに約8割の情報を視覚から得ています。そのため、老眼などで見えづらくなることで脳に送られる情報が大幅に減り、認知機能が低下するため、認知症リスクも高まってしまうのです」
たかが老眼、されど老眼なのだ。平松先生はさらにこう話す。
「老眼の進行をいかに遅らせるかで人生の質は大きく変わります。老眼や近視の回復だけでなく、予防としても千円札トレーニングを実践してほしいですね」
そのトレーニングは、イラスト1を参考に行ってほしい。
(1)千円札を両手で持ち、目から20?30cm離しや目の高さで中央の透かしの肖像画を見つめる
(2) 視線を保ったまま、透かしの絵が見えるギリギリの位置までお札を下げ、30秒キープ
(3)ゆっくり目の高さまでお札の位置を戻し絵を確認。
※1~3を10回ほど繰り返す
なお、今回は千円札を使っているが、中央の透かしの肖像画を見ることがポイントなので、五千円札でも1万円札でもOKだ。
また、透かしを見るという簡単なものだが、ボーッと眺めるだけではダメ。約3分間は集中して透かしを見つめることが重要だ。早ければ、1週間で視力回復を実感する人もいるが、できればまずは、2週間は続けよう。
平松先生のもとには、視力が改善した人のたくさんの事例がある。
「老眼で、本や新聞を読むのもツラかったが、千円札トレーニングを2週間続けたところ、老眼鏡がなくても本が読めるようになった、という60歳の女性もいます」
また、1日に2回、トレーニングをしていた50代の女性からは、視力が4週間で0.7から1.0になったとの報告も。40代の女性の場合は、近視の右目が0.7から1.2、左目が0.4から1.0になったという例もある。
なお、千円札トレーニングは、眼鏡やコンタクトをして行ってもよい。ぜひ一度お試しあれ!
画像ページ >【イラスト解説あり】ガボール・アイとは?(他2枚)
