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10年に1度の暑さ。

 

4月24日、気象庁は、関東から九州北部にかけて「高温に関する早期天気情報」を発表。

 

この時期としては“10年に1度程度しか起きない著しい高温”になる可能性があるとしている。

 

夏のような汗ばむ日が続くとなると気がかりなのが熱中症だ。

 

『熱中症からいのちを守る』(評言社)の著書で、済生会横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜医師が語る。

 

「熱中症の患者がもっとも増えるのは梅雨の時期と7月ですが、5月中に熱中症で緊急搬送される患者数も少なくはありません。

 

体が暑さに慣れていないことが、5月に熱中症の患者数が増えるひとつの要因です。

 

ときに命を落とすリスクや助かったとしても後遺症が残る可能性もある熱中症ですが、実は正しく予防すれば、ゼロにできる病気ともいえるのです」

 

熱中症予防として、こまめな水分や塩分の補給、エアコンを適切に使用するなどが知られているが、熱中症に負けない体作りを忘れてはならない。

 

ところが、50歳以上の中高年女性は熱中症になるリスクが高いと、谷口先生がこう続ける。

 

「熱中症の予防には、水分を体に蓄えておく貯蔵庫の役割を果たす筋肉量の維持が大切です。

 

女性のほうが男性よりも熱中症にかかりやすいのは筋肉量の差とも。

 

そんな筋肉量は40歳をピークに低下するといわれているのです。

 

また暑いときには、汗腺を働かせて汗をかいたり、血管を広げて体の表面に温かい血液を移動させたりして体温調節をします。

 

そのカギを握っているのが自律神経です。

 

車の運転にたとえると、アクセルの役割を果たす交感神経とブレーキに相当する副交感神経という2つの神経でなりたつ自律神経は、お互いにバランスを取りながら体温調節など体の調子をもっともよい状態に保ち続けています。

 

ところが、女性の場合、30代後半から40代にかけて副交感神経の働きが低下して自律神経が不安定に。体温調節機能も低下してしまうのです」(谷口先生、以下同)

 

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