■手術とリハビリで症状の劇的な改善も
高齢の患者が多いハキム病は体の負担を考えると、全身麻酔ではなく局所麻酔で手術ができる病院を選ぶのがベターだ。
「ハキム病の手術は日本では全身麻酔で行われることが多いですが、当院では最新のシステムを導入し局所麻酔で手術を行っています。全身麻酔に比べ、術後の回復スピードが圧倒的に違ってきます」
市村先生が行うハキム病の手術時間は何と20~30分ほど。手術後はリハビリも行う。両者を合わせても3~4週間ほどで回復するというから驚異のスピード回復だ。前出の歩行障害の70代の女性も、この手術とリハビリを受け、スムーズに歩けるようになった。
「個人差はありますが、食事をとるのが困難だった人が治療後できるようになったケースもあります」
手術費用やリハビリ費用は健康保険の適用対象。高額療養費制度もあるので、それほど大きな負担なく、健康を取り戻せる可能性がある。治療法は確立しているが、原因がはっきりとしないため、予防することは現状難しい。
「今までにない症状が現れるなど、おかしいと感じたときには、早めに受診するようにしてください」
アルツハイマー型認知症などと違い、ハキム病は正しい治療とリハビリで症状の劇的な回復が期待できる。症状に心当たりがあれば、早めに受診するようにしよう。
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