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世界中からかき集めた“認知症の発症リスクを低下させるエビデンス”を一気に公開。大幅に行動を変えなくても、生活習慣をちょっと変えるだけなので、今すぐ実践できます!

 

’24年の高齢者白書によると、’40年には有病率が14.9%になると推計されている認知症。誰にとっても身近な“国民病”だが、予防する手立てはないのだろうか?

 

「じつは、ちょっとした生活習慣の“付けたし”で認知症リスクを下げることを示唆する海外論文がたくさんあるのです」

 

こう語るのは、米国ボストン在住の内科医・大西睦子さんだ。

 

世界中の研究で示された“科学的に正しい方法”が続々と判明しているという。そこで、最新の“脳が長生きする予防習慣”を大西さんに紹介してもらおう。

 

■30分の早歩きで認知症リスク62%減

 

ウオーキングは効果的だが、多くの人が目標とする「1日1万歩」は、ハードルが高く、長続きしない。そんな人には、’22年に学術誌『JAMA Network』に掲載された論文を参考にしたい。

 

この論文は40~79歳のイギリス人78,430人を対象に平均6.9年間フォローアップした調査で、1日に何歩歩けば認知症予防につながるのかを分析したもの。

 

「最も効果的な歩数が1日9,826歩で、認知症の発症しやすさを約51%低下させるという結果でした。しかし、わずか3,800歩でもリスクが25%低下するということなので、1日4,000歩から始めてみてはいかがでしょうか」

 

同研究では、歩行タイプ別の認知症リスクにも言及しており、1分40歩以上の少し速い歩きの最適量は6,315歩で、認知症の危険度を57%低下、1分40歩未満のゆっくり歩きの最適量は3,677歩で、認知症の危険度を42%低下させると結論づけられている。さらに、最も速い平均歩行ペース(112歩/分)で30分歩くと認知症の危険度が約62%低いことも示された。

 

「これまでの論文では、歩くことで脳の血流が改善、抗炎症・抗酸化効果が促進、気分改善、睡眠の質が向上し、社会参加が増えて孤立を避けられることなどが、認知症予防になると示されています」

 

朝のウオーキングを犬と一緒にする人も多いが、犬との生活も認知症を防ぐ可能性があるという。

 

■犬を飼うと認知症リスクが40%減

 

「国立環境研究所の谷口優氏らが’23年に発表した、日本人約11,000を対象にした調査では、現在犬を飼っている人は、そうでない人に比べて要介護につながる認知症の発症しやすさが40%減少。また、現在犬を飼っていて運動習慣がある人は、認知症リスクが63%低いという結果でした」

 

一方、猫の場合は、飼っていても認知症リスクはほぼ変化がなかったという。

 

「犬がいることで、散歩に出かけ、人と交流することが、認知症を予防することになるのでしょう」

 

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