本誌で予言していた気象予報士が語る「次の竜巻”危険”地帯3」
5月6日、茨城と栃木両県3カ所で発生した竜巻は死者1人、負傷者52人、住宅損壊2071件と甚大な被害をもたらした。昨年9月、本誌で「竜巻発生」を予測していた気象予報士・森朗さんが再び、警鐘を鳴らす。
「これまで竜巻は『広い平野のまっ平らのところで起きやすい』と言われていましたが、つくば市の現場は近くに山があった。今回、南風と西風がぶつかりできた渦が近くの山にあたり、風がカーブして回転が加わったと考えられます。竜巻について今、新たに考え直さなければなりません」
そこで森さんに「次の竜巻”危険”地帯」3カ所を指摘してもらった。いままで一般的に竜巻が起こりやすいとされていたのは《平らで弓なりの海岸線》《沖縄・奄美諸島》《関東平野》などと言われていた。そこに森さんは新たな条件を加えた。
《内陸部の盆地》「ちょっとした平らなところがあれば、竜巻は発生します」
《屋根の高さが同じ住宅街》「それはある意味、平地と同じです。ビルの少ない住宅街も注意」
《大きな河川の近く》「大きな河や海も平らです。日本全国あてはまるのです」
そして、具体的な竜巻発生危険地域はーー。
●茨城県南部~埼玉県東部
「関東平野の中でも海から南風が入り、北の群馬・栃木から吹く北風がぶつかりやすい。今回の竜巻もこのエリアでした」
●静岡~愛知の遠州灘沿い
●宮崎県の日南海岸
「弓なりの長い海岸線で、地表が平らです。陸に乗り上げた風にブレーキがかかり、つんのめる感じで上昇気流が発生します。上昇することでカーブして回転が加わり渦も起きやすいんです」
竜巻は一年中発生する危険があるので気が抜けないと森さんは言う。「温暖化により年々積乱雲も増えてきています。竜巻やゲリラ豪雨も増えていくでしょう。”異常気象”はいまや日本全国どこに起こっても不思議ではないのです」