住宅ローンが残ったまま中古住宅を相続。残債400万円を3年で完済した。その後すっかり貯め体質に転じ自信から、再度ローンでアパートを建て、経営も軌道に乗っている大阪市の菊谷陽子さん(44)。「目標を達成するまでは、レジャーも外食もかなりの我慢を強いるものですから、家族全員を懸命に説き伏せました」と語る彼女は窮地に立つと頑張れるタイプで「追い詰められて貯めるスタイルが向いていた」という。
家族構成は夫46歳(自営業)+長男10歳。夫の年収400万円で、毎月の貯蓄(ローン返済へ)15万円。生活費は10万円だ。座右の銘は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。そんな菊谷家流の荒業を紹介する。
①稼ぎ手を増やす
「節約にも限界があるので、ずっと専業主婦でしたが、この機会にパートに出ることに。給与の月額7万円で食費、日用品を賄い、夫の収入は返済に回しました」
②外食メニューも最安値にこだわる
「外食は全廃できないので、メニューの中でもっとも安いものを選ぶことが我が家のお約束。親や兄弟からのおごりで行くときでも気持ちの緩みは禁物。いつでも最安値にこだわり注文します」
③レジャーは交代制で
「家族全員で行くと出費がきついのは旅行。コストカットのため交代制に。この夏は私と息子の2人で北海道へ行きました。北海道フリーパスを利用、7日間乗り放題のおトク切符です。レジャー代金は交代制にすると半額にカットすることができますよ。留守番の夫もゆっくり休めたといっていました」
④大幅なコストカットを断行
「免許取得以来ずっと乗っていた車を手放し、年間60万円の大幅なコストカットに成功。足も鍛えられ、健康にもいいようです」
⑤繰上げ返済は100万円から
「アパートを建て新たなローンを組みましたが、いまは毎月の支払額以外にも、別に貯めて100万円貯まるごとに繰上げ返済に励んでいます。これを繰り返し、期間を30年から20年くらいに短縮するのが目標です」
⑥ものにした資産は貸す
「相続で得た中古住宅もアパートも、獲得した資産は人に貸して収入を得ています。自分たちは賃貸に住み、自営業なので事務所経費として3割を計上し節税もしています」
⑦目標達成までに集中
「一度完済できた成功体験でまた意欲が湧きます。新たに建てたアパートは返済期間も長く手ごわいけれど、追い込まれると気合いが入ります」