今年4月、サービス開始からわずか2年足らずで、無料通話アプリ「LINE」利用者が全世界で1億5千万人を突破しました。国内での利用者数は約4千500万人。現在、スマートフォンの利用者数は約4千900万人です。無料通話アプリに詳しいITジャーナリストの佐野正弘さん(39)はこう言います。

 

「利用者数の割合から鑑みて、無料通話アプリバトルは初期段階の決着として、LINEが勝利したと判断していいでしょう。ただ、ここ1~2年で一気に広がったアプリですから、またどんでん返しがあるかもしれません。今後は、各企業が機能の差別化を図り、いまだスマートフォンに切り替えていない従来の携帯電話の利用者を、いかにして市場に取り込んでいくかが勝負の決め手になるでしょう」

 

「機能の差別化が決めて」という佐野さんの言葉を受け、各無料通話アプリの違いを見極めるべく、本誌は体験調査を敢行。気になる無料通話アプリ各社の比較は下記のようになりました(※この調査は’13年4月に行ったものです。現在の仕様と異なる場合があります。またアプリに関しても、iPhone版、アンドロイド版、パソコン版などで仕様が異なるものがありますので、あらかじめ、ご了承ください)。

 

【LINE】

・トーク(チャット)同時参加人数上限「100人まで」

・画面の見やすさ「背景の模様替えも可能」

・同時通話機能「1対1のみ(無料)」

・通話音質「通話に問題ない」

・スタンプ、絵文字(有料含む)「数えきれないほどの種類がある。スタンプのデザインが『毒カワイイ』ということで評判」

・国内利用者数(’13年4月の時点)「約4千500万人」

・アプリのプラットホーム化「有り」

・本誌記者が実際に使ってみての感想「最大の武器は利用者数、国内ナンバーワンというところ。友人が使用していれば必然的に利用するようになる案配。アプリゲームのほか、大手企業と提携しての、おトクな情報を配信中」

 

【カカオトーク】

・トーク(チャット)同時参加人数上限「上限なし」

・画面の見やすさ「背景の模様替えも可能」

・同時通話機能「5人まで可能(無料)

・通話音質「ノイズが気になる」

・スタンプ、絵文字(有料含む)「無料で使えるスタンプはLINEを上回る。しゃべるスタンプや動くスタンプも多数」

・国内利用者数(’13年4月の時点)「約1千万人」

・アプリのプラットホーム化「有り」

本誌記者が実際に使ってみての感想「5人同時無料通話機能が便利。LINEより遅れてプラットホーム化を開始。アプリゲームのほか、占いや、雑学系のコンテンツを中心に情報を配信」

 

【comm】

・トーク(チャット)同時参加人数上限「300人まで」

・画面の見やすさ「背景の模様替えも不可」

・同時通話機能「1対1のみ(無料)」

・通話音質「携帯電話並み」

・スタンプ、絵文字(有料含む)「有名なキャラクタースタンプも含めて、すべて無料で利用可能。種類は1千種類以上あり」

・国内利用者数(’13年4月の時点)「現在非公開(’12年12月の時点で約500万人)」

・アプリのプラットホーム化「なし」

・本誌記者が実際に使ってみての感想「クリアな音質を追求。スタンプ全種類無料を合言葉に市場参入。また、非利用者も利用者からの招待で参加可能なトーク機能を導入。待ち合わせ場所の一斉送信や、確認などにも便利」

 

【Skype】

・トーク(チャット)同時参加人数上限「100人まで」

・画面の見やすさ「表示される画面が簡素」

・同時通話機能「1対1のみ、ただしパソコン版を利用している人がいれば25人まで可能(無料)」

・通話音質「音質は4アプリ中最高」

・スタンプ、絵文字(有料含む)「全72種」

・国内利用者数(’13年4月の時点)「不明、全世界では約6億人(’12年9月時点)」

・アプリのプラットホーム化「なし」

・本誌記者が実際に使ってみての感想「ビデオ通話が行える、唯一のアプリ。’03年から、パソコン同士のインターネット電話(無料通話)を行なっている老舗。音の感度はいいが、電波の悪いところだと、よく途切れる。パソコン版のほうが多機能で、扱いやすいかも」

 

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