「iDeCoは、もともと’01年にスタートした制度ですが、’17年1月から公務員や専業主婦まで加入対象者が広がり、誰でも入れる個人年金に。加入者は毎月、コンスタントに約3万人ずつ増え、’18年6月時点では94万人ですので、現在では100万人を突破しているでしょう」

 

こう語るのは、確定拠出年金アナリストの大江加代さん。自営業ばかりでなく会社員であっても、かつてのような十分な企業年金は期待できないいま。老後資金のため、個人型確定拠出年金iDeCoを始めている人が増えてきているという。

 

そこで大江さん、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにiDeCoについて解説してもらった。

 

「iDeCoは、扱う金融機関が用意する投資信託などを、毎月定額で購入し、運用するかたち。最終的に積み立てたお金を、60歳以降に年金や一時金として受け取るしくみです」(風呂内さん)

 

証券会社で投資信託を購入するケースとは違い、iDeCoの場合は「拠出金は全額所得控除の対象」「利益も非課税」という大きなメリットがある。始めてみようという人は次のステップにのっとって検討してみよう。

 

【ステップ1】取引金融機関

 

確定拠出年金教育協会が運営するサイト「iDeCoナビ」などを利用して、各社の手数料や取扱い商品を比較したい。

 

「加入者が増え、各社、競争原理が働き、手数料はだいぶ安くなりました。さらに昼間働いている人は、コールセンターの受付け時間、土、日に対応しているかなども判断材料になります」(大江さん)

 

【ステップ2】初期費用を忘れずに

 

「開始の手続きは、WEB上だけでは完了できません。必ず送付される必要書類に記入しなければならないのですが、印鑑の押し忘れなど不備があって、途中で加入を諦める人もいます」(大江さん)

 

通常、資料取り寄せから積立を開始するまで、2カ月ほどかかる。どこの金融機関でも口座開設時には最低2,777円、毎月積み立てている期間は最低年間約2,000円の費用がかかることは覚えておこう。

 

【ステップ3】購入商品の選択

 

投資信託の商品を選択すれば、元本割れのリスクがある。

 

「日本の投資信託は7,000本近くあるといわれます。中には手数料が高く、価格変動リスクによって、資産運用に不利な商品も。しかしiDeCoの場合、金融機関が長期の資産運用に向く商品をあらかじめ厳選してくれています。コストも低く、初心者でも選びやすいです」(大江さん)

 

商品選びでもう1つ知っておきたいのは、運用スタイル。

 

「インデックス型(パッシブ型)は日経平均株価など指数に連動した、手数料も安く無難な商品。アクティブ型は、アナリストが目利きした商品で、ハイリターンを目指します。これは手数料が高く、結果的にインデックス型より増えないことも」(風呂内さん)

 

商品は大まかに、元本確保型の定期預金、投資信託は国内株式と国内債券、外国株式と外国債券、それらを組み合わせたバランス型に分けられる。風呂内さんがオススメする配分の例は次のとおり。

 

■毎日のチェックは面倒だけど、とりあえず資産は増やしたいという人

 

国内・外国株式(ともにインデックス型などを組み合わせたバランス型ファンド)50%:定期預金50%

 

■貯蓄に余裕があって、多少のリスクは負ってもいいと考えている人

 

外国株式25%:国内株式75%(ともにインデックス型)

 

「50代は最低限残す金額を決める時期。元本確保される定期預金だけでも、減税のメリットはあります」(風呂内さん)

 

もちろん、すべてのケースで、1年に1回、必ず資産状況のチェックは必要だ。人生100年時代、ローリスクで資産を確保することができるので、iDeCoは選択肢の1つとして検討しよう。