長引く経済不況に、超がつくほどの少子高齢社会の到来……。これから私たちが迎える“未来の年表”は不安だらけ。「人生100年時代」といわれるいま、50代女性を待ち受ける未来は、明るいものばかりではないようだ。年代別にどんな時代なのかを見てみよう。
■2020年代「『2025年問題』が勃発! 5人に1人が後期高齢者へ……」
東京五輪という一大イベントで幕を開ける2020年代。だが、その後の見通しは決して明るくない。
何より大きなトピックは、「2025年問題」。人口のボリュームゾーンである団塊の世代が75歳以上となり、全人口の5人に1人が後期高齢者という時代になるのだ。当然、認知症患者も激増。「介護離職」や「介護難民」はますます増加すると予想される。
他方、少子化による人口減もいよいよ本格化。2015年発表の国勢調査では、調査開始以来、初めて人口が減少したことが明らかになったが2020年以降もその回復は期待できない。少子化によって子どもを産む年代の女性の絶対数が減少しているため、女性1人あたりの出生率が多少回復したところで、出生数は取り戻せないのだ。
65歳以上の前期高齢者も含めれば、3人に1人が高齢者になる2020年代。高齢者をめぐる諸問題は、もはや誰にとっても「人ごと」ではなくなるのだ。
■2030年代「地方からは銀行、百貨店、医療機関が消え、街の風景も一変」
自身も高齢者の仲間入りをする2030年代になると、生産年齢人口(15〜64歳)、なかでも若年世代はさらに減少していく。「厚生労働省白書」(2015年)では、2035年には男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯結婚しないと推測されており、その改善はますます難しいものになるだろう。
さらに、いまも昔も、若者は都市部へと流れていくもの。それによって多くの地域で生産力が不足。地方の衰退はさらに広がり、これまでは離島やへき地で顕著だった医療問題などが、より広範囲で起こってきそうだ。地域によっては一般的な医療だけではなく、スーパーや金融機関といった、生活に欠かせないサービスすら受けられなくなる可能性がある。
人口減少による社会構造の変化が、これまでの私たちの生活のあり方に大きな影響を与えてくる時代。生活防衛のためには、定年を迎えた後でも、可能な限り「現役」でいる気概が求められそうだ。
■2040年代「『8050問題』も深刻化し、穏やかな老後は夢のまた夢」
高齢者の数がピークを迎える2040年代。ここで注視すべきなのは、なんといっても「8050問題」だろう。ひきこもりやニートの高齢化は現在でもすでに指摘されているが、ついには「80代の親が、50代の子どもを支える」(=8050問題)といった危機的な状況が発生するというのだ。
ちなみに内閣府が2010年に行った「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」によると、ひきこもりになったきっかけは「職場になじめなかった」「病気」がともに23.7%で1位。たとえ、わが子がいまは学生生活を楽しんでいても、その後困難な状況に遭遇し、ひきこもってしまう可能性は大いにある。
自身も立派な後期高齢者に仲間入りするこの時代。自分の亡き後でもわが子が一生暮らせるような資産を残すのは困難だが、少なくとも、人生の幕引きくらいは自らの手で行う必要がありそうだ。
不安だらけの未来だが、いまからきっちり備えることが「人生100年時代」を乗り切るためには大事だ。