公共交通機関での「感染リスク」を極力下げる利用術
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コロナウイルス感染拡大の第3波が到来とおぼしきいま、年末年始の帰省を「あきらめざるをえないかも」と悩む人が少なくない。

 

「コロナ感染での重症者・死者は、圧倒的に高齢者に多く、心臓病や糖尿病などの持病(=基礎疾患)を抱えているとさらにハイリスク。つまり親が『高齢』で『持病あり』となると、最も重症化しやすい条件がそろってしまうんです」

 

こう話すのは、感染制御の専門知識を有する高知総合リハビリテーション病院院長の小川恭弘さん。

 

「大前提として肝に銘じてほしいのは、老親のいる実家にこの年末年始“安心して帰省する”のは“不可能”だということ。自覚症状がない“無症状”の感染者が増えているという現状もあります。もし自らの感染に気づかず帰省して、親にうつしてしまったら……。『死なせに帰った』なんてことになってはいけません」

 

とはいえ、「元気なうちに会っておきたい」とか「余命を考えたら、この正月が最後かもしれない」など、親の状態と帰省の必要性、切迫度は、百人百様であるだろう。

 

そこで「どうしても帰省したい」人のために、他県への移動時に利用する公共交通機関での注意点を、鉄道を中心とした交通コンサルタントで、株式会社ライトレール社長の阿部等さんが解説してくれた。

 

「まず、どの交通機関を利用するにしても、疲労がたまっていたり、夜更かし、早起きなどで睡眠不足の状態では、免疫力が下がります、ウイルスを防御できず、もし感染すると重症化しやすくなります。帰省の際は体調万全が第一です」

 

電車は、現在までにラッシュ時でもクラスターは発生していないが、やはりなるべく混雑時間帯を避けて乗るべきだという。

 

【公共交通機関での感染リスクを極力下げる利用術】

 

■新幹線

指定席の利用を。自由席まで満席でも指定席のデッキ部分ならすいている可能性あり。東海道新幹線で、たとえば東京から名古屋や京都に行く場合は、博多行きより新大阪行きのほうがすいている可能性が。大声でのおしゃべりや飲食は絶対にNG。運悪くそのような乗客の近くになってしまったら、乗務員に席を替えてもらうようお願いするのも手。

 

■飛行機

3密のもとになるので、到着してもすぐに通路に出ようとせず、「○列目から○列目の方は降りる準備を〜」といったアナウンスがあるまで待機。こちらも大声でのおしゃべりや飲食は絶対にNG。

 

■バス

夜行バスは長時間の乗車となるので避けるほうが無難。利用する場合は窓側に座れば休憩時に換気ができることも。マスクなしでお弁当を食べながら話し込むのは避けよう。

 

■タクシー

ドライバーが感染対策をしていても、前の乗客が感染者であった可能性もあるので、取っ手など人の手が触れる部分には、なるべく直接触らない。

 

「もしも新幹線の自由席が満席で座れない場合は、指定席車両のデッキまで移動してもOKです。そして、たとえば東京発の東海道新幹線では、博多行きより新大阪行きのほうが利用者が少なく、席も比較的すいていますので、スマホの乗換検索などで調べておくといいでしょう」

 

行楽地行きの特急などで以前はよく見られた「グループで飲酒・食事しながら、大声で」などという光景は、ほぼなくなっている。

 

「電車内でも『5つの小』(=会食は「小(少)人数」「小一時間」「小声」「料理は小皿で」「小まめに消毒・換気」)は取り入れるべきですね」

 

割安だが、より長い時間を乗車することになる夜行バスの移動では、密を避けるため通路側2席は販売されていないケースも。

 

「バスを利用するときは窓側の席を。窓を開けられる場合は、高速バスでも休憩時に換気できます」

 

飛行機は降りる際に注意が必要。

 

「通路や出口に人が殺到して密にならないよう、客室乗務員の指示に従って、順に降りましょう」

 

もちろん感染を完全に予防することは不可能だが、それでもやむなく帰省するときは、「最低限の心得」を肝に銘じておきたい。

 

「女性自身」2020年12月15日号 掲載

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