何げなく発した一言のために、人間関係が悪化した、そんな経験はないだろうか。
「たとえよかれと思っての一言でも、相手にとってはとても失礼で、傷つけてしまうことがあります」
そう話すのはイメージコンサルタントの吉原珠央さん。確かに、口は災いのもとというが、悪意のない言葉をどう注意すればいいのか。
「誰でも失言の苦い記憶があると思います。ときどき思い出して『考えてから話そう』と意識することが大切です」(吉原さん・以下同)
ならば意識づけも兼ねて、練習してみよう。次の人間関係を壊しかねない「失礼な言い方」を、どう言い換えればいいか。吉原さんがクイズ形式で出題。
【Q1】「うん、すごく若く見える!」
ママ友とのランチ会に、がんばっておしゃれして出掛けたら、「すごくステキ!」という声に交じって聞こえてきた一言。
「本当は、発言者が“若く見られたい”のでしょう。だから、ほめているつもりだと思います。でもお友達なら、上から目線でほめるのは失礼。素直に見たままを表現するとよいでしょう」
言い換え:「すごく似合っているね」
【Q2】「たかがパートなんだから、そんなに嫌なら辞めれば?」
職場恋愛の末に結婚したので、夫の仕事の愚痴をよく聞いていたが、私が職場での悩みを話したら、夫が一言。
「『たかが』に深い意味はないと思います。『そんなに大変なら』と妻の体を気遣っているのかも」
言い換え:「大丈夫? がんばりすぎないでね」
【Q3】「でも、○○君は運動会ではヒーローじゃん!」
授業参観日、大きな声でギャグを言う息子を見て、恥ずかしくなっていたら、ママ友が一言。
「フォローしているつもりが、かえって傷つけてしまう典型ですね。『おもしろいね』と一緒に笑えば、ほっとするでしょう」
言い換え:「あのギャグ、はやっているよね。うちの子もよくやっているよ」
言葉が変われば、受け取る側の気持ちは大きく変わる。円滑なコミュニケーションや良好な人間関係を築くために、スマートな言葉を使うコツはあるのだろうか。
「これさえ守ればというコツはありませんが、自分で使わない言葉を決めておくのも一手です。Q2の『たかが』や『どうせ』などのネガティブワードも避けたほうがよいでしょう。ほかには『キライ』も、あえて使わなくてもよいでしょう。たとえばランチ会で『私、魚キライだからお肉にする』と言われたら、魚を頼みづらい雰囲気になるでしょう。言う必要のないことは、言わなくてよいのです」
「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載