病院数、小売店数、生活関連サービスで高い評価、交通アクセスもよい大阪府泉佐野市 画像を見る

「コロナ禍により“在宅勤務”が浸透したことで、わざわざ家賃の高い都市部で暮らす必要がないと考える人が増えています。移住先として注目されているのが、都市部までそれほど遠くない『トカイナカ』と呼ばれる場所です」

 

こう語るのは、国や自治体のさまざまなデータを基に、住みやすさや災害リスクなどの分析、評価を行う、住環境コンサルタントの堀越謙一さんだ。

 

1月29日、総務省が住民基本台帳に基づく人口移動報告を発表した。その中で東京都の転出者数が、’13年に現行の集計方式になって以降、初めて「転入超過」から「転出超過」に転じた。

 

昨年のコロナ禍以降、東京都は7〜12月までの6カ月連続で人口が減る転出超過が続いており、’20年の転出者数は、前年より1万7,938人多い40万1,805人。その転入先は近隣の神奈川、埼玉、千葉の3県が55%を占めた。

 

総務省の統計からも、都心から近いトカイナカへ移住する人が急増していることが裏付けられる。

 

「トカイナカとは、都会すぎず田舎でもない場所。生活環境が整っていて、田舎暮らしの楽しさも味わえ、都市部よりも家賃が安い。都市部まで電車で1時間30分程度のエリアまでが1つの目安です」(堀越さん・以下同)

 

だが、いざ都市部から引っ越しするとなれば、街の便利さや病気になったときは大丈夫かなどの心配があるだろう。そこで、生活環境が充実していて自然も楽しめる、“住みやすいトカイナカ”を徹底調査した。

 

堀越さんの監修のもと、6つの指標(病院数、一般診療所数、老人福祉費、小売店数、生活関連サービス業、家賃相場)を偏差値化し、総合的なランキングを作成した。

 

大阪圏で上位のトカイナカは次のとおりだ(※総務省統計局データなどを基に、堀越謙一さんが作成。大阪市役所を中心に20キロメートルから50キロメートル範囲に位置する政令指定都市を除いた市町村のなかから、家賃水準4万円以上かつ7万人以上の市町村を抽出してランキング化した)。

 

【第1位】大阪府泉佐野市/総人口10.1万人、家賃4.66万円

・家賃偏差値:55.5
・病院数:77.0
・診療所数:53.5
・老人福祉費:56.5
・小売店数:82.3
・サービス業数:71.0
〈総合値〉66.0

 

「病院数、小売店数、生活関連サービスで高い評価。交通アクセスもよく、泉佐野駅から関西空港駅まで約10分、梅田駅までは約50分です。また、阪神高速、阪和自動車道、関西空港自動車道があるので、車での移動も便利。大型のショッピングモールなどもあって、生活利便性も高いですね」

 

【第2位】兵庫県三木市/総人口7.7万人、家賃4.20万円

・家賃偏差値:63.5
・病院数:57.3
・診療所数:48.5
・老人福祉費:72.8
・小売店数:61.9
・サービス業数:67.9
〈総合値〉62.0

 

「大阪の中心部まで約50キロメートルあるが、市内には山陽自動車道、中国自動車道、舞鶴若狭自動車道が通っており、道路網は充実しています。三木駅から神戸駅までは電車で約1時間、大阪駅まででも約1時間30分の距離ながら、水田をはじめとした自然が充実。田舎暮らしを楽しみながら都市部へのアクセスがいいのが魅力です」

 

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