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「気象災害は“防げる災害”です。だから、限りなく“災害死ゼロ”を目指して、毎日の予報を伝えていきたいんです」

 

優しい口調のなかに、しっかりとした意志をのぞかせて語るのは、『めざまし8』(フジテレビ系)のお天気コーナーを担当する気象防災キャスターの天達武史さん。前番組『とくダネ!』の終了前に、防災士の資格も取得したという。

 

「テレビから流れる天気予報は、昔は“平和の象徴”だったように思います。でも今の日本は、冬以外はもはや亜熱帯で、台風やゲリラ豪雨などの気象災害が身近なうえ、地震も多発しています。これまでの常識は通用せず、防災について一人ひとりが考えて行動しなければいけない時代ですね」

 

私たちがふだんチェックするのは、朝の天気予報ぐらいだが……。天達さんは「たとえば僕は、災害に備えてコレをつねに持ち歩いているんです」と、ポケットからペンライトを取り出した。

 

「災害大国の日本では、いつどこで何が起こるかわかりません。災害が発生すると急に真っ暗になり、周囲を確認できなくなることが多いので、まずはライトが役に立つと地震の専門家に聞いたんです」

 

防災士の役割には、まず自分の身を守るために必要な備えをする「自助」、地域のリーダーとなり声がけする「共助」、行政と協力して災害に強い街づくりを進める「協働」の3つがあるという。

 

「ペンライトはこの“自助”にあたります。災害を漠然と不安に思っているくらいなら、こうした些細な備えでも始めるほうが、精神的にも物理的にもいいですよね」

 

また、防災の基本は「3K」なのだと教えてくれた。

 

「3Kとは『気づく・考える・行動する』こと。最初は『いつもと雨の降り方が違うな』『警報が出ているぞ』など、異変に“気づける”ことから始まります。気づいたら次に『今すぐ避難すべきかとどまるべきか』など、もっとも安全な策を“考える”。そして実際に“行動に移す”という一連の流れが基本です」

 

そして、この3Kを日ごろから意識し習慣づけてこそ、災害時に実践できるというものだ。

 

「“気づく”には、正しい情報を得ることも含まれます。刻一刻と変化する状況のなか、つねに正しく新しい情報をとること。SNSだけに頼らず、気象庁や国交省のサイト、テレビのニュースなど、出元が確かな、公の情報を確認するべきです」

 

「女性自身」2021年6月1日号 掲載

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