「主婦業を9割削減します!」
’20年6月、唐仁原けいこさんがブログで一大決心を発表した。当時、唐仁原さんは第3子の出産後で、仕事に家事に忙殺され、イライラして、家族にきつく当たっては後悔する毎日だった。
「最初は仕事をやめようかと思いました。でも本当にやめたいのは、仕事ではなく“主婦業”だと気づいて。家事や雑用、お付き合いなども主婦がやるものと思い込んでいたけど、やめる方法を探してみようと夫婦で相談し、宣言したのです」(唐仁原さん・以下同)
宣言の効果は絶大だったという。
「宣言したら、まだ何も減らせていないのに心が軽くなりました。『私がやらなきゃ』って自分を追い込んでいたようです」
それから主婦業を洗い出し、手間のかからない方法を探りながら、重要度と自分がやるべきかという2方向で分類した。
「ご飯の支度は重要だけど、凝ったメニューや母の手作りにこだわらなくてもいいよね。だったら、私がやらなくてもいいよね。でも、家族の健康管理は私がやる、みたいに細かく分けていきました」
実際、分類してみると妻がやらなくていい家事は意外と多い。
「自分でやらなくてもいいことを、どうしようかと悩みましたが、面倒なことは誰もやりたくないでしょう。便利家電を導入したり、プロの力を借りたり『そもそもやる必要ある?』と自問したり。主婦業の“現場監督”は私。できるだけシンプルで楽な“仕組み”を作って、それから夫・子どもに『協力して』とお願いしました。
たとえば洗濯は、ドラム式洗濯機を導入して乾燥まで機械任せ。簡単にたたんでしまえる場所を洗濯機のそばに作りました。これで作業負担が劇的に軽くなります」
唐仁原家の主婦業分担は夫の関与する主婦業がかなり多い。
「うちは夫婦2人とも自営業なので、夫の多すぎた仕事を少し減らして主婦業にも力を入れてもらい、もっと働きたい私は主婦業を減らして仕事を増やしました。子どもは自分でできることが増えてきたし、宣言から1年で、私の主婦業は8割削減できたと思います。家はすごくきれいではないし、豪華な食事もないけれど、夫や子どもは私がイライラしながら完璧に家事をこなすより、ちょっと手抜きでもニコニコ笑って家族とゆっくり過ごすほうが幸せそうです」