■高額な一時金は治療費や収入の補塡に充てるなど自由
そして図(4)にも注目してほしい。
がんの治療は日進月歩。10年ほど前には“見えない光で切らずに治す”陽子線・重粒子線治療が話題になった。その治療費は200万~300万円と高額だが、厚生労働省から先進医療に承認されたことにより、自己負担分は、がん保険の「先進医療特約」でカバーできるようになっている。それでも、いまの最新がん治療は「先進医療特約」ではカバーしきれないという。
「いま最も注目されているのが『がんゲノム医療』。がんの遺伝子から、がんの性質を明らかにし、体質や病状に合わせてもっとも効果的な抗がん剤治療を行うものです。この治療法は、条件を満たせば保険診療で受けることができますが、条件を満たすか判断のつかない初期の段階から自分に合った治療法を見つけようとすると自由診療になり、すべて自己負担になります」
また「がんゲノム医療」で自分に合った抗がん剤が見つかっても、その抗がん剤が保険適用でない場合には自由診療になり、年間300万~600万円がかかるという。
そこで、いまのがん患者の治療や生活を一括でサポートするという流れから登場したのが、今回紹介する高額一時金をメインとした最新のがん保険なのだ。
「高額な一時金は、その後の治療費に役立てたり、減少した収入の補塡に充てるなど、本人の裁量で自由に使えるのがメリットです」