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今年に入って最も多くの食品の値上げが発表された10月。生活に関わるものの高騰で負担を強いられている人も少なくないはず。

 

「家計負担を減らすためにぜひ活用してほしいのがプライベートブランド(以下、PB)。じつはスーパーだけでなく、ドラッグストアにもお得な商品がたくさんあるのです」

 

そう語るのは、マーケティング・消費者行動に詳しい一橋大学准教授の鈴木智子さん。

 

「ドラッグストアに安い商品が多いのは、利益率の高い医薬品や化粧品などで得た利益を日用品や飲食料品のセール品に投入しているため。そんなナショナルブランド(以下、NB)の通常価格よりも安く購入できるのが、ドラッグストアのPB商品。値上げラッシュのいま、コスパのよいPBを選ぶことは、節約につながります。また、10月に値上げされた調味料や飲料もPB商品で安く手に入れることができます」

 

■SNSの普及がPB拡大を加速させた

 

「マツモトキヨシ」では有機100%のトマトケチャップ500gが213円、九州地方を中心に展開している「ディスカウントドラッグコスモス」では2Lのペットボトル天然水が68円で販売されている。

 

“とにかく安い”という印象だったPBが、いまでは高機能&高品質を備えた商品も増加し、人気を集めているという。その背景について、鈴木さんはこう解説する。

 

「ひと昔前は、NBに品質の保証や安心感を求める人がほとんどでした。しかし、インターネットやSNSなどの普及によって消費者自身が情報を集めて吟味し、商品を選ぶことが可能に。口コミなどで、PBが選ばれるようになりました。宣伝広告にお金をかけない分、商品開発にコストをかけられるので、高品質、高コスパな商品が続々と登場し、人気を集めているのです」

 

実際に、「マツモトキヨシ」が’21年11月にコーセーと共同開発して発売した敏感肌向けのスキンケア商品「レシピオ」シリーズはSNSでも話題となり、約9カ月でシリーズ販売数累計55万個を売り上げた。

 

「スギ薬局」では今年4月に日本ではじめて年齢や性別を問わないジェンダーレスの基礎化粧品シリーズ「プリエクラU」を発売し、大きな話題に。

 

美容ライターの立花あゆさんも、最近のPB化粧品は、デパートで売られているコスメにも引けを取らないと絶賛する。

 

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