さっそく、ゼロ円デーのやり方を見ていこう。
「ゼロ円デーは、お金を使うことが少ない日を選びます。たとえば、週末に買い出しに行く家庭であれば土日は難しいので、“3週目の月曜日”など平日に設定すると成功しやすくなります。
また、定年前なら給料日前、年金生活者なら年金支給日の前日と奇数月の15日など、意識してやりくりする必要がある日を設定するのもおすすめです」
「ただし、厳しくやりすぎると、別の日に浪費してしまったり、長く続かなかったりするため、まずは月1回程度で成功体験を楽しんでから、買い物の頻度に合わせて、少しずつ増やし、週1回から3回程度に設定してください」
長く続けるコツはあるのだろうか。
「特売品につられがちなのでチラシを見ないこと。その商品は安く手に入れられるかもしれませんが、一緒にムダ買いしてしまうのであれば、チラシは見ないほうが家計全体で見ると節約できます。
ゼロ円デーを達成できた日は、カレンダーや家計簿に印をつけるなどして『見える化』しましょう。頑張った達成感を味わいやすくなり、次のモチベーションにつながります。何日お金を使わない日があったのか、ゲーム感覚で行うくらいでOKです」
最近、お金を使わない日を設けて節約することを“ノーマネーデー”と呼び、SNSを中心に話題になっている。その背景にキャッシュレス決済の普及があると黒田さんは分析する。
「これまでは財布にお金がなければ買うのを諦めていましたが、今はスマホで決済できたり、チャージして買い物ができたりします。
キャッシュレス化が進んだことで、お金が足りないから買えないという場面がなくなってしまったのです。だからこそ、ブレーキのひとつとして、ゼロ円デーを設け、意識的にお金を使わないと決める必要があるのではないでしょうか」
今の時代に合ったゼロ円デー。楽しみながら老後資金を貯めてみてはどうだろうか。