「にんじんもねぎも高すぎる…」店頭に並ぶ野菜の値段にため息をついている主婦は多いだろう。
農林水産省が今月21日に発表した11月の食品価格動向調査によると、にんじんやキャベツ、玉ねぎの全国平均小売価格は平年に比べて3割も高く、ねぎやトマトは2割ほど高くなっている。
野菜はムダなく使い切らなければと意気込むものの、ついしおれさせてしまうことも……。
「しおれた野菜は捨てないで! 水やお湯に浸すだけで、シャキシャキ感を取り戻し、復活させることができるのです」
そう教えてくれたのは、野菜に関する研究成果や情報を提供する野菜科学研究会の西山博さんだ。
「茎を食べるアスパラガスやセロリなどの野菜は、一輪挿しのように根本を水に浸せば、3時間程度で水分を吸い上げ、みずみずしく復活してくれます。長ねぎは葉先部分まで水を吸うのに時間がかかるため、適度な長さにカットしてから切り口を水につけましょう」(西山さん、以下同)
野菜を浸す水は、ミネラルウオーターなどにこだわらず水道水で問題ないという。
「根菜のにんじん、ごぼう、実を食べるトマト、きゅうり、ピーマンなどは全体を浸したほうが、早く復活します。サラダにしてすぐ食べたいなら、氷水に。食物繊維が引き締まり、ひんやり歯ざわりのよい食感を味わえます。ただし、氷水で復活時間が早まるわけではありません」
ほかにも野菜によって適切な方法があるという。
なぜ、これらの方法で復活するのだろうか?
「野菜は全体の80~90%前後が水分です。収穫後も気孔から水分を蒸散し続けるため、数%失われただけで表面が乾き、しおれてしまいます。そのため、水分を補給することで、ふっくらとよみがえるわけです。とくに気孔は葉の表面に多く、50度前後で大きく開き、水分の吸収が早まるので、葉物野菜には50度洗いが効果的。気孔が少ない根菜や果実は水に入れてゆっくり浸透させる必要があるんです」
長めに水に浸す場合は、冷蔵庫に入れるか少量のお酢を加えて。
「ただし、これらの方法は見た目と食感がよみがえるだけ。失われた栄養成分まで復活するわけではありません。野菜は鮮度のよいうちに食べるのがおすすめです」
しなびた野菜も、鮮度を取り戻す復活術で最後までおいしく使い切ろう!