耳に合わないのに返品できない…補聴器通販トラブルが急増中!プロが教える“正しい買い方”
画像を見る 通信販売、店舗販売の場合はクーリング・オフ制度が適用されないので注意(写真:天空のジュピター/PIXTA)

 

■通販でのトラブル急増理由は「恥ずかしい」…

 

補聴器の主な購入先は、店頭販売、通信販売、訪問販売があげられる。

 

そのなかでも特にトラブルが起きやすいのが、通信販売と訪問販売だ。とくに通信販売でのトラブル件数が急増している。

 

「耳の聴こえが悪くなったことを、周囲に知られたくないと通信販売やネット販売を利用する人は多いです。価格もお手ごろなものが多い。

 

ただ、通信販売などで購入した場合、使用者にあわせた調整(フィッティング)ができません。

 

補聴器は装着すればすぐに聞こえるわけではなく、使用者の聴こえ方や環境にあわせて音を調整したり、聴き分けるトレーニング、アフターケアが必要なのです。

 

事前のフィッティング、アフターケアが一切ない状況で補聴器を使えば、当然『耳にあわない』『痛い』『思っていたのと違う』『だまされた』となってしまいます」

 

一方で、補聴器の販売システムそのものがトラブルの原因になっているケースもある。

 

補聴器は、医療機器の販売の届け出さえ提出すれば、資格がなくても販売することが可能で規制もない。極端にいえば、補聴器や耳の仕組みについて知識がなくても、補聴器を売ることができる。

 

そのため、さまざまな業者が参入しやすく、悪意を持った業者が参入することも容易なのだ。

 

また、通信販売や店舗販売はクーリング・オフ制度が適用されないことも要注意だ。

 

では、補聴器トラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいのか? 購入時の重要なポイントを紹介するので参考にしてほしい。

 

【1】耳鼻咽喉科(補聴器相談医)を受診する
【2】「認定補聴器技能者」がいる補聴器販売店を探す(紹介してもらう)
【3】家族や親しい人と一緒に補聴器販売店に行く
【4】聞こえにくい状況を細かく伝える
【5】予算や価格の相談をする

 

「耳鼻咽喉科で難聴だと診断されたら、認定補聴器技能者がいる補聴器販売店を病院で紹介してもらうか、ネットで検索してください。

 

認定補聴器技能者は、公益財団法人テクノエイド協会が認定している資格保有者です。適切な調整とケア、コンサルティングができる補聴器のプロです。

 

認定補聴器技能者がいる販売店に行き、耳鼻咽喉科医師(補聴器相談医)と連携をとりながら、補聴器を調整をすることが大切です」

 

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