■にんじんは皮をむかず油で炒めてがん予防に
では、にんじんはどうだろうか。
「にんじんは、ぜひ油で炒めて食べてください。にんじんに含まれるβカロテンは脂溶性なので、脂質と一緒に摂取すると吸収率がよくなるからです。
生食の場合は吸収率が8%であるのに対し、油で炒めることで、なんと吸収率が70%にまで増えるんです」
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、がん予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする。さらに皮付きで食べれば、より多くの食物繊維やβカロテンを取れるという。
炒めるだけで、値段以上の栄養を取ることができるワザだ。
■大根は米のとぎ汁でゆでると甘~くなる!
さらに、野菜の味を引き立てるワザもあるのだという。
「大根は、お米のとぎ汁でゆでるとアクがぬけて甘くなるんです。大根を下ゆでする際に、お米もとぐことをおすすめします」
とぎ汁がない場合は、鍋の大根がかぶるくらいの水に、大さじ1の片栗粉や小麦粉を溶くことでも代用可能だ。
「トマトは火を通すのがおすすめ。トマトに含まれるリコピンやβカロテンは、どちらもしっかりとした細胞壁に守られていますが、加熱することによって、この細胞壁が破壊され、吸収効率が大幅にアップするんです」
トマトは生食もおいしいが、これからはスープや炒め物の選択肢も取り入れたいところだ。
「ビタミンが豊富なきのこも、調理の際にひと手間を。きのこに含まれるビタミンDは、油と一緒に取ることで吸収率が上がります。一方、ビタミンBは水溶性です。栄養素を最大限取り入れるには、“炒めてから汁物に入れる”を実践するのが理想的なのです」
ほかの野菜についても、こう呼びかけるテツさん。
「厳しい価格が続きそうなねぎは、ぜひ、緑の部分まで食べてください。太陽にあたって色が緑になっただけで、可食部分です。
価格が大きく下がっているブロッコリーも積極的に食べてほしいですが、洗い方には注意を。つぼみが密集している中に虫が潜んでいることがよくあります。つぼみの部分を下にしてしばらく水につけておきましょう」
価格が下がる野菜も、まだまだ高値が続く野菜も、これらのワザを駆使すればお値段以上の栄養やおいしさが手に入る。
野菜を無駄なく使い、家計を守りながら物価高を乗り越えていこう。
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