かつてのリゾートバイトは今“おてつたび”に…中高年の間で近年人気!旅を仕事にする“第二の人生”の楽しみ方
画像を見る 旅館やホテルでの調理補助、清掃業務が定番だが、表にあるように意外なものも(写真:プラナ/PIXTA)

 

■「子どもも私の第2の人生を応援してくれています」

 

“旅+仕事”といえば「リゾートバイト」という働き方もあるが、

 

「半年間や1年間など、就業期間が比較的長いリゾートバイトに比べて、おてつたびは2カ月未満、平均は14日間前後と、気軽に参加できます。また、そもそもは、まだ知られていない地域の魅力を、多くの人に知ってもらうというコンセプトで始めた仕組みでもありますから。受け入れ先はリゾート以外にも多様にあって、参加者の多くもお金を稼ぎたいという気持ち以上に、地域を知りたいというニーズが高い。旅費のことを気にかけずに長く滞在しながら、一般的な旅ではなかなか触れられない、その土地のよりディープな魅力を知ることができる、それがおてつたびです」(永岡さん)

 

子育てを終え、これまで何度もおてつたびを楽しんできた安田麻美さん(仮名・58)は「観光旅行では味わえない地域の日常が楽しめるのが魅力」と話す。

 

「たとえば四国では、買い物に行ったスーパーで『サメの湯引き』など、自分の地元では決してお目にかかれない食材やお総菜に出合ったり、地域の人にその食べ方を教わったりして、この年になって新しい知識を得られるのはうれしいですね。それに、短期間とはいえ、そこに暮らしながら、その地域に溶け込むような旅ができるのが楽しい。おてつたびはいま、私の生きがいなんです」(安田さん)

 

冒頭に登場した青木さんはこの夏、北海道最古の温泉・知内温泉で2度目のおてつたび中だ。温泉施設でフロント業務に就いている。

 

「おてつたびでは、現地までの交通費は自己負担です。だから私は前回の有馬温泉も今回の北海道も、神奈川から自分で車を運転してきました」(青木さん)

 

青木さんはシングルマザー。定年までマンション・コンシェルジュをしながら、1人で子どもを育ててきた。大好きな旅行などの楽しみは「子どもの大学卒業までは」と長年、封印してきたという。

 

「その子も無事、大学を出て就職して。私、宣言したんです。『残りの人生は自分のために生きる』と。それで、おてつたびを始めたんです。子どもも私の第2の人生を快く応援してくれてます」(青木さん)

 

おてつたび後に描く夢もある。

 

「地元・神奈川で飲食店をやりたいんです。おてつたびで出合った各地の特産品、それも、まだ全国的には知られていない、おいしいものを扱う店を開きたいんです。いま私がいる知内町には、とてもおいしいにらがあって。有馬温泉でも、地元の人が大好きなおいしいお酒を教えてもらいました。たとえば、知内のにらをさかなに、兵庫の地酒が飲める、そんなお店をやってみたい。私のおてつたびは、その夢のためのリサーチでもあるんです」(青木さん)

 

たとえ、将来のためのフィールドワークだったとしても、おてつたびはお楽しみもいっぱいで。

 

「知内温泉の湯守さんに、インスタ映えしそうなウニ丼のお店を教えてもらって、早速行ってきました。いやぁ、地元の人のオススメは間違いないですね。間違いなく、私史上最高のウニ丼でした(笑)」

 

この秋はあなたもおてつたびで、新しい生き方を見つけてみては。

 

画像ページ >【一覧あり】8月後半以降の注目『おてつだび』9選(他4枚)

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