【1】複数の保険会社の保険料を比較する
「まず前提として、多くの人が、マンションや一戸建てを購入する際、金融機関や不動産会社のすすめる火災保険にそのまま加入したのではないでしょうか。しかし、必ずしも更新時にそのまま継続する必要はありません。現在はインターネットなどで火災保険の保険料を比較することが可能です。調べてみると、同じ補償内容で年間1万円ほど違うケースも。おおむね、ネット系の保険会社のほうが割安な傾向があります」
【2】最長の5年契約を選ぶ
「2022年の改正によって、最長が5年になりました。新規契約はすべて最長5年になり、これも値上がりの原因。ただ、従来と同様、火災保険を長期で契約をすると割引が適用されます。10年の長期割引が5年しか使えません。また、地球温暖化が続くので、大規模災害が増えて、保険料の値上げもあると考えられます(10年で5回値上げしたので)。5年契約にすると、その間の保険料は上がらないので得になります」
【3】水災の補償をつけるか選択する
「近年、台風や洪水など災害が多いので、火災保険のなかで、水災の保険料率が改定されました。5区分に分かれて、リスクが高いところの保険料がアップしました。自治体のハザードマップで自宅の場所を確認し、リスクが高いところは、迷わず付帯したほうがよいです。ただもしリスクの低い地域ならば、水災を付帯から外すと保険料はかなり安くなります。マンションの場合は3階以上なら、付帯を外しても大丈夫かと思います」
【4】免責を設定して節約する
「免責とは、保険会社が保険の支払いを免れることをいいます。つまり、保険金の支払いの際、一定額までの支払いが行われず、自腹を切るということです。免責金額は自分で選べますが、5万~10万円に設定すると、保険料が1割程度安くできることがあります」
【5】保険料をクレジットカード払いにする
「火災保険はクレジットカードでの支払いが可能です。ポイント還元率の高いクレジットカードで支払えば、そのポイント分、安く抑えることができます」
最後に長尾さんは、
「迫りくる更新の機会は、火災保険見直しの絶好のチャンスだととらえることもできます。複数の保険を比較し、ハザードマップを確認して、災害にもしっかり対応できる補償を選択することが、賢い火災保険選びになります」
今年10月から更新の機会が急増する火災保険。今後も保険料の値上がりが続くと考えられることから、補償内容の賢い見直しと、安い保険会社を選ぶことで、家計防衛につなげよう。
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