警察が電話で口座情報を聞き出したり、現金を要求したりすることは絶対にないと心得よ! 画像を見る

警察庁の発表によると、’25年の犯罪認知件数は、令和に入って最悪の数値を記録している。1~10月の時点で64万7千511件に達しており、侵入窃盗が前年比12.8%の増。詐欺は26%も増加している。

 

「年末年始はイベントが多く、どうしても気分が浮かれがち。加えて、仕事納めや大掃除などの準備で忙しいうえに、金融機関が休みに入る前に現金を銀行から引き出している人も多いでしょう。気が緩みやすく慌ただしい時期に、手元にいつもより多くの現金がある。そこに詐欺師や窃盗団などの犯罪者がつけ込んでくるのです」

 

こう話すのは、龍谷大学法学部教授で、日本消費者法学会理事を務めるカライスコス アントニオス氏だ。

 

詐欺も年々悪質になり、今年は、詐欺師が警官を装ってだますという手口が世間を震撼させた。7月末時点でニセ警官による詐欺の被害金額は、481.9億円と、特殊詐欺全体の66.7%を占めた。

 

「生成AIの登場で、特殊詐欺事件が巧妙化しています。『自分はだまされない』と思っている人でも、あっという間に事件に巻き込まれてしまう時代なのです」と、カライスコス氏は続ける。

 

そこで、年末に起こりやすい最新の犯罪手口を紹介。安心して年を越すための対策を解説する。

 

■1.今年流急増した新たな手口「ニセ警官の振り込め詐欺」

 

【今すぐ手続きが必要とATMやネットバングに誘導】

ニセ警官が電話などで接触し、「口座が犯罪に悪用されている」「逮捕状が出ている」などと告げて不安に陥れる。その後、「お金を移動させる必要がある」「捜査に必要」などと理由をつけて、指定口座に現金を振り込ませる。警察が電話で口座情報を聞き出したり、現金を要求したりすることは絶対にないと心得よ。

 

【対策】

・電話には出ず、こちらから掛け直す
・公的機関がATMなどの利用を指示する時点で怪しいと判断する
・複数の人間から連絡がきたら要注意

 

■2.お歳暮時期にまぎれて頻発「海鮮送りつけ詐欺」

 

【勝手に商品を送りつけて後から高額請求】

電話で魚介類などの購入を強引に勧誘し、断っても一方的に送りつけて代金引換で支払わせる。「キャンセルには手続きが必要」と偽サイトに誘導し、口座情報を抜き取るケースも。心当たりのない荷物は、代金を支払わないことが重要。また、購入・到着予定の荷物の情報は事前に家族で共有しておこう。

 

【対策】

・家族分の配達状況を把握しておく
・高額請求されても決して応じない
・送りつけられた商品は処分する

 

■3.クリスマスの高揚&寂しさにつけ込む「ロマンス詐欺」

 

【会いたい♡と言って渡航費などを要求】

SNSやマッチングアプリなど、インターネット上で知り合った相手に恋愛感情を抱かせ、その心理につけ込んで金銭をだまし取る特殊詐欺の一種。海外にいる人物を装うケースが多く、会うための渡航費などを請求される。一度も会ったことがないのに結婚をちらつかせてくる場合は要注意!

 

【対策】

・クリスマスの雰囲気に惑わされない
・会ったこともないのに結婚話をしたら注意
・魅力的すぎるプロフィールは危険

 

■4.年末増える宅配や支払いにまぎれて「フィッシングメール詐欺」

 

【緊急性をあおって個人情報を盗みとる】

実在する企業や公的機関を装った偽メールを送り、受信者を偽サイトへ誘導。クレジットカード情報などの個人情報を盗み取る。「緊急のお知らせ」「荷物の確認」「不正利用の疑い」など、緊急性を強調するのが特徴。確認は必ず公式ホームページで行い、メール内のURLは絶対に開かないようにする。

 

【対策】

・緊急性をあおる件名に慌てない
・URLは絶対にクリックしない
・公式のホームページと比較する

 

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