《親の介護で借金地獄へ》50代を待ち受ける“悲惨リアル実例”4つ…プロの対処法は
画像を見る 親に認知症の傾向が見えたら、早めに成年後見人制度を利用しよう(写真:Luce/PIXTA)

 

認知症の母を老老介護していた父にがんが見つかったことで、娘のCさん(53歳)が仕事を辞め、父の看病と母の介護をすることに。だが、父は病状が急激に悪化し、あっけなく死んでしまった。

 

Cさんの母は、夫の死でさらに認知症が進行してしまう。お金の計算が怪しくなり、Cさんの目を盗んでは、やさしそうにふるまう訪問販売業者の口車に乗って、高価な羽毛布団や健康食品などを大量購入するようになった。

 

Cさんは独身で、自分の老後資金は着実に貯蓄していた。だから、母の介護費用も数百万円におよぶ訪問販売の代金も、親のためだと思ってCさんが肩代わりしてきた。

 

約3年の介護生活を終えて母の葬儀費用を払ったら、Cさんの貯金はゼロに。すべてを介護で使い果たしたのだ。

 

Cさんは心の支えだった自分の老後資金を失い、この先一人でどう暮らせばいいのか、お先真っ暗だと嘆く。

 

【こうなる前に】

 

高齢者をねらう悪徳商法が横行しています。認知症など判断能力が不十分な人に被害が及ばないようにするには、『成年後見制度』を活用するといいでしょう」

 

成年後見制度とは、認知症や知的障害などで財産管理や各種契約などの判断が難しい人の権利を守るため、後見人などがサポートする仕組みだ。Cさんの母のように悪徳商法の被害を受けても、後見人が契約を解除することができる。

 

成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」があるが、契約解除ができるのは法定後見のみ。家庭裁判所が選任する後見人は弁護士や司法書士などが選ばれることが多く、月2万円~の報酬が必要だ。

 

「家庭裁判所に、娘であるCさんを法定後見人の候補者として申し立てすることはできます。Cさんが後見人になれば、後見人の報酬をゼロにすることも可能ですが、最近は『監督人』をつけることが多くなりました。監督人にも月1~2万円程度の費用がかかります」

 

これらの費用も、母の資産から捻出するのが原則だそう。

 

【こうなってしまったら】

 

まずは介護の疲れを癒して健康を取り戻したら、Cさんは長く働ける仕事を探して。介護の経験を生かして介護職に就くのもいいのでは。退職して3年たつCさんも、離職者や求職者を対象とする「ハロートレーニング」で無料の職業訓練を受けられる。ハローワークに相談してみよう。

 

できれば70歳までは働いた給料で生活し、年金を繰り下げるなどして老後資金を蓄えよう。

 

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