健康のため、ダイエットのため、「新年度を機に、春からスポーツジムに通おう」と思っている人も多いだろう。ただ注意しないと、思わぬトラブルに巻き込まれることもある。
国民生活センターには、スポーツジムでのトラブルに関する相談が多く寄せられている。2025年度は1月末時点の相談件数が5千359件。前年同期の3千988件から1.3倍に増加している。
弁護士法人・響所属の古藤由佳弁護士は次のように警鐘を鳴らす。
「手軽さをアピールする風潮がありますが、大前提としてスポーツジムはケガのリスクがある危険な場所です。また、無料キャンペーンなども多くありますが、契約に当たっては細心の注意が必要です」
Aさんは1カ月お試し無料キャンペーンでスポーツジムに入会。だが、やっぱり続けられないとキャンペーン期間中に解約を申し出た。なのに、翌月以降も月会費1万円が引き落とされていたという。
「解約の手続きが、正しくできていなかった可能性があります」(古藤先生、以下同)
Aさんはトレーナーに口頭で解約を伝えたが、ジムの規約では書面の提出が必要だった。Aさんは「トレーナーが『わかりました』と言ったし、書面のことなど聞いていない」と憤るが、解約規定を守らなかったAさんに落ち度があるとみなされ、引き落とされた会費の返金は難しいのが現実だ。
「契約する前に、必ず、解約方法と期限などを確認してください」
損失がもっと多額になることも。Bさんが入会したのはパーソナルトレーニングのジム。サプリ利用も含めて26万円の年間契約を分割払いで交わした。
だが、Bさんの都合がいい時間帯が空いていない。3カ月間で1度も予約が取れないので解約を申し出たら、違約金11万円を請求されたという。
「営業時間の全時間帯で予約が取れないなら話は別ですが、予約可能な時間帯がある場合はジム側の責任を問うのは難しいです」
自分が通いたい時間帯の予約状況などに問題がないことを確認してから、入会するのが鉄則だ。
「ただし違約金が高すぎる場合、減額交渉できる可能性はあります」
契約書に違約金の記載があっても、同様の契約と比べて高すぎる場合「消費者契約法」により無効と判断されることも。法テラスや自治体の法律相談などで相談を。
最近はトレーナーなどが不在の無人ジムや、人と会わないオンラインでの入会手続きが増えている。
Cさんもオンラインで月会費5千円の24時間ジムに入会した。実際に始めたらトレーニング時間が取れないと実感。それなら解約しようと電話するが、留守電ばかりでつながらない。会費がもったいないといら立つ毎日だという。
「通っている店舗で連絡が取れない場合はそのジムの本店、さらに運営会社などとさかのぼって、問い合わせ窓口を探しましょう」
連絡は電話より「いつ何を申し出たか」の証拠が残るメールがおすすめだ。「○○店は留守電ばかりで連絡が取れない。解約したい」旨を記載しよう。
会費などの精算は「いつ解約を申し出たか」が基準になる。留守電だから別日にまた電話などと時間をかけるのは損。速やかにメールで解約を申し出て、規約にのっとった解約手続きを進めよう。
