「緑黄色野菜に豊富なβカロテンは抗酸化作用があり、がん予防や老化防止、体の免疫力を高めてくれます。淡色野菜はビタミンCや食物繊維が豊富で、疲労回復、生活習慣病予防などの効果があります。“気になる症状別に選んだ野菜”をメインに、さらに緑黄色・淡彩野菜をおり交ぜて、彩りよく食べるようにすれば、美肌と健康を手に入れることができます」
そう話すのは、料理研究家・野菜ソムリエの山本美智子さん。今回は、山本さんに“夏バテに効く野菜”を教えてもらいました。
【倦怠感には、きゅうり】
淡色野菜のなかではカロテンとカリウムが豊富。カロテンには抗酸化作用があり、カリウムには利尿作用があるので、むくみ改善や夏場のほてりやだるさの解消に効果がある。
[メニュー例]きゅうりとタコの酢味噌あえ、きゅうりの浅漬け。
【胃もたれには、大根】
胃腸の働きを活性化するアミラーゼはでんぷんを分解するので、ごはんを主食とする日本人には欠かせない酵素。食べ過ぎによる胃もたれに効果がある。アミラーゼは熱に弱いので生食を。
[メニュー例]なめこのみぞれあえ、大根とジャコのシャキシャキサラダ。
【胸やけには、キャベツ】
キャベツから発見されたビタミンU(キャベジン)は、胃腸の調子を整え、胸やけや胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防、改善に効果がある。ビタミンUは水溶性なので、水に溶けやすく加熱に弱い。生食がベスト。
[メニュー例]コールスロー、和風ロールキャベツ、キャベツのおひたし。
【スタミナ不足には、アスパラガス】
アスパラガスの名前は、アミノ酸の一種、アスパラギン酸が豊富なことから。新陳代謝を促し疲労回復効果があるので、スタミナアップに役立つ。ビタミンB1の多い豚肉などと合わせると効果が倍増。
[メニュー例]アスパラガスの豚肉巻き、アスパラガスとホタテのバター炒め。
【食欲不振には、ゴーヤー】
強烈な苦味が、胃腸を刺激して食欲を増進させる働きや整腸作用もあり、夏バテ防止にも役立つ。ゴーヤーに含まれるビタミンCは、加熱しても破壊されにくい。βカロテンも豊富なので油で調理を。
[ゴーヤーの酢の物、ゴーヤーチャンプルー、ゴーヤーのチーズ焼き。
【消化不良には、やまいも】
消化酵素アミラーゼなどが豊富なので、でんぷんの消化を助け、消化不良を防止する。ぬめり成分ムチンは胃の粘膜を保護し、タンパク質の消化吸収を助けてくれるので、胃に優しい。生食が基本。
[メニュー例]やまいもの梅肉あえ、マグロの山かけ、とろろごはん。