「集中力や記憶力アップのもとになるカルシウム、DHAといった栄養素は、ふだんの食事では不足しがち。だからこそ、3食のほかに、おやつでも補っていきましょう」

 

そう話すのは、『東大料理愛好会』の代表を務める宮崎拓真さん(20)。東京大学教養学部の2年生、現役の東大生だ。このサークルでは東大のほかにも、さまざまな大学から料理好きの学生が集まり、頭がよくなる栄養素を使った『脳力アップ』のためのレシピを考案している。2冊目となるレシピブック『アタマとカラダが冴える! 東大おやつ教室』(新潮社)も出版された。

 

「栄養素は、薬学部のメンバーが学術論文を読んで、下調べしています。そのうえで、何十種類と試作したレシピの中から、実用的で、おいしいものを選んで、掲載しています」(宮崎さん・以下同)

 

まさに、東大生の頭脳を結集させたレシピといえそう。そこで今回、受験を直前に控えた子供たちのため、本の中から『頭のよくなるお夜食』レシピをご紹介。

 

【塩麹ハンバーガー】

材料・2人前/ハンバーグ《合いびき肉…100g。豆腐(木綿)…1/2丁。玉ねぎ…1/2個。塩麹…大さじ1。こしょう…適量》。レタス…2枚(半分にちぎる)。とろけるチーズ…2枚。トマト(スライス)…2枚。マヨネーズ…大さじ2。塩麹…小さじ2。バンズ…2個。サラダ油…適量。ビクルス…お好みで。

作り方/1.ハンバーグを作る。ボウルにひき肉と塩麹を入れて混ぜる。2.1にみじん切りにした玉ねぎと、豆腐をつぶしながら入れてよく混ぜる。こしょうを加えてさらに混ぜ、しっとりとしてきたら、少し寝かせる。3.2を2等分し、バンズの大きさに応じて丸く整え、真ん中をへこませる。4.フライパンにサラダ油を強火で熱して、3を入れる。焼き色がついたらひっくり返し、中火にして蓋をする。焦げないよう注意しながら中まで火を通して、皿に取っておく。5.バンズは横半分に切り、トースターで3分ほど焼く。6.5の内側にマヨネーズを塗り、レタス、ハンバーグをのせ、塩麹を塗る。さらにチーズ、トマト、レタスを重ねてバンズをのせる。お好みでピクルスを添える。

 

「発酵食品の塩麹は、腸のリズムを整え、免疫力を上げる効果があります」

 

【ミルク味噌うどん】

材料・2人前/うどん…2玉。つゆ《めんつゆ(2倍濃縮の場合)…大さじ2。牛乳…600ml。かつお節…6グラム。味噌…大さじ2。ナツメグ…適量。ブラックペッパー…適量》。トッピング《オリーブオイル…小さじ2。サバ…1/2尾。キャベツ…1/8個。にんじん…1/4本。ミックスチーズ…ひとつかみ。ねぎ…お好みで》。

作り方/1.トッピングを作る。サバは骨と皮を除き、1.5センチ角に切る。皮をむいたにんじん、キャベツは1センチ角に切る。ねぎは小口切りにしておく。2.フライパンにオリーブオイルをひき、サバを入れて表面に焼き色がつくまで中火で炒める。3.2にキャベツ、にんじんを加え、軽く炒めたら蓋をして弱火にし、8分間蒸し焼きにする。4.スープを作る。小鍋に牛乳、めんつゆを入れ、火にかける。沸騰したら火を止め、かつお節を入れる。再び火にかけ、沸騰したらザルでこしてかつお節を取り除く。ナツメグとブラックペッパーをふりかけて軽く混ぜ、味噌をよく溶く。5.ゆでておいたうどんをどんぶりに入れ、4のスープを入れ、3のトッピングをのせる。最後にチーズと、お好みでねぎをかける。

 

「うどんは比較的、消化の早い炭水化物で、食べたあとにすぐエネルギーになるんです。食後、すぐに勉強を始めたいときに向いていますね」

 

【梅とろろ茶漬け】

材料・2人前/ご飯…茶碗2杯分。梅干し…2粒。長いも…15センチ。だし《水…300ml。だしの素(顆粒)…小さじ1強。みりん…小さじ1。薄口しょうゆ…小さじ1》。すりごま(白)…適量。刻みのり…適量。

作り方/1.梅干しは種を取り出し、包丁で軽くたたく。長いもはすりおろす。2.ご飯に1をのせる。3.鍋にだしの材料を入れ、沸騰させてから火を止め、2にかける。4.食べる直前にすりごまとのりを散らす。

 

「受験勉強をしていると、疲れて食欲がわかないときもあると思います。そんなときでもこのお茶漬けなら、とろろの喉ごしのよさもあって、スルッと体に入ってきますよ。梅干しに含まれるクエン酸は、疲労の原因となる物質、乳酸を分解してくれます」

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