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「食事制限や特別な運動をしているわけでもないのに、この方法で患者さんの体重が1カ月間で平均6.2キロ減になっているんです」

 

こう話すのは、工藤内科(福岡県)で減量外来ドクターをしている工藤孝文先生だ。工藤先生が考案した「緑茶コーヒーダイエット」で、患者さんがみるみる減量に成功しているのだという。しかも特別なことはせずに、ふだんの生活をしながらというから驚きだ。

 

「緑茶コーヒーダイエット」とは、緑茶とコーヒーを1:1で割ったものを、毎食前に1杯飲むだけ。工藤先生が研修医だったころに、緑茶とコーヒー、それぞれの健康に影響を及ぼすエビデンスが出始めたことが、この組み合わせを思いついたきっかけだったという。

 

「コーヒーに含まれるクロロゲン酸と緑茶に含まれるカテキンには、脂肪燃焼の働きがあるという研究結果が出たほか、カテキンには腸内の善玉菌を増加させて、腸内環境を整える働きもあると報告されたのです」

 

ただ、コーヒーのカフェインは血糖値を一時的に上昇させたり、交感神経を優位にしてくれるが、取りすぎると自律神経を乱すという難点もある。

 

それに対して、緑茶のカテキンは急激な血糖値の上昇を抑える働きが、同じく緑茶に含まれるテアニンには、副交感神経を優位にする働きが報告されている。

 

つまり、2つを混ぜると、デメリットは相殺され、メリットは相乗効果が期待できるということに工藤先生は注目したのだ。

 

「ものは試しと実践してみたところ、最初の7日で1キロ減り始めたんです。1年もしないうちに、92キロもあった体重が67キロになりました。自分でも驚きました。ところが、必ず『ほかに何かしたでしょう?』と聞かれるんです。当時の私は研修医で、激務をこなすのに精いっぱい。ダイエットをする気力なんて残っていません。だから、飲むだけでいい緑茶コーヒーダイエットにしたのです」

 

基本の飲み方は、緑茶とコーヒーを1:1の割合でカップに入れるだけ。コーヒーのカフェインを強く感じる人は、緑茶:コーヒーを7:3にするなど、比率を自分の好みに変えても構わない。さらに、コーヒーはインスタントでもいいし、缶コーヒーも可。緑茶はカテキンとテアニンを含むものであれば、ペットボトルでもOK。アイスでもホットでもお好みで。

 

「カフェインに敏感な人はデカフェ(カフェインレス)コーヒーにしても構いません。クロロゲン酸は十分に含まれていますから」

 

ただ、コーヒーにミルクや砂糖は入れないこと。ミルクを入れるとクロロゲン酸の吸収率が落ちてしまうし、砂糖を入れるとダイエットの目的を果たせない。

 

とはいえ、「緑茶とコーヒーを混ぜる? それっておいしいの?」といった声が聞こえそう。実際、記者も同じ疑問を持った。そこで試してみたのが、最も手軽な方法。ペットボトルの緑茶とブラックの缶コーヒーを1:1で割ったのだ。

 

驚いたことに、飲みやすい。ブラックコーヒーだと濃すぎると感じる味が、緑茶を入れることでスッキリした味になる。これを食前にカップ1杯飲むだけであれば、簡単に続けられそうだ。

 

実際に工藤先生は、減量外来に来る自分の患者さんにもこの方法をすすめて、これまで100人以上の患者さんから、その効果の報告を受けている。それが冒頭で紹介した結果だ。Wの脂肪燃焼効果でズボラさんにもオススメの緑茶コーヒーダイエット。試してみてはいかが?

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