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背中が丸まった姿勢は見た目がよくないだけでなく、さまざまな健康不安のリスクにも。ピン! とした背すじをキープするための極意をスペシャリストに教わりました!

 

年を重ねるごとにだんだんと曲がっていく背中。けれど、いくつになっても背すじがピンと伸びた姿勢をキープしていたいもの。

 

「背すじが伸びていると、見た目が若々しくなるだけではありません。これまで私のプログラムを受けた患者さんからは、『腰の痛みがラクになった』『変形性ひざ関節症が改善した』『胸焼けや胃痛が治った』『呼吸が深くなり、自律神経失調症が軽快した』といった、さまざまな声をいただいています」

 

そう語るのは、これまで2万人の猫背を治してきた、“猫背矯正マイスター(R)”の小林篤史さん。小林さんのメソッドにより、多くの人が体の不調が改善したという。「何歳からでも“背すじピン”はかないます」と語る小林さんに、背骨が曲がる要因や、気になる背すじの伸ばし方について聞いた。

 

「背骨が曲がる根本的な要因は2つ。1つは骨盤の傾き。もう1つは、骨盤につながる股関節が硬くなってしまうことです。本来、私たちの骨盤はまっすぐ立っているべきものですが、加齢や生活習慣などから、骨盤が前後に傾いてしまいます。するとその傾きをカバーしようと、背骨が曲がっていってしまうのです。骨盤が前後に傾いている人は、股関節が硬くなっている傾向があります。たとえば、足元にある物を持ち上げる際、腰や背中を丸めて持ち上げている人は、それだけ股関節の可動域が狭く、背骨に負担をかけてしまっています。将来的に背骨が曲がるリスクが高いため、注意が必要です」(小林さん・以下同)

 

小林さんによれば、背骨の曲がり方は大きく分けて3つのステージがあるという。

 

「ステージ1の『首曲がり期』は、猫背初期〜定着期。背中が曲がりはじめ、肩や頭が前に出ています。進行するとステージ2の『背曲がり期』に。背中のカーブが大きくなり、山の“頂点”が生まれる時期です」

 

最後はステージ3の「腰曲がり期」。腰が90度くらいに折れ曲がった、いわば最終形態だ。

 

「この段階になったときには、多くの人が70歳を超えています。ステージ3では、転倒や骨折、寝たきりなどのリスクも高まります」

 

そこで今回、小林さんに基本の骨盤を立てるストレッチに加え、ステージ2の人に追加で行いたい「タオルワーク」を教えてもらった。どのステージに該当する人にも有効なので、無理をせず試してみよう。

 

■骨盤の前傾を正す「太もも前面伸ばし」

(1)立った姿勢から、左足を後ろに上げて、左足の甲を左手で持つ。
(2)ふくらはぎが太ももの裏につくところまで後ろに引き上げて、10秒キープ。反対の足も同様に。

※バランスに不安のある人は、壁や机につかまって行う。

 

■背中の柔軟性を取り戻す「背骨タオルワーク」

(1)硬く丸めたバスタオルを床に置き、腰の下にタオルが当たるようにあおむけの姿勢をとる。
(2)バンザイをした状態で1分キープ。

 

「基本のストレッチは、骨盤が前に傾いているか後ろに傾いているかでやり方が異なるのですが、紹介しているのは、女性に多く見られる“骨盤前傾”対策のストレッチです。女性はもともと男性に比べ骨盤が大きいわりにウエストが細いため、圧倒的に前傾しやすいのです。また、出産によって骨盤が開くとさらに前傾しやすくなるため、女性の多くは骨盤が前傾しているといえるでしょう。もう1つの背骨タオルワークでは、背中の柔軟性を取り戻していきます。1日最低1回は行ってください」

 

2つのプログラムをきちんと実践しても、要する時間は3分程度。回数や時間帯などは気にせず「思ったときがやりどき」だという。

 

「長時間、見よう見まねのストレッチをするより、短時間でしっかり行ったほうが効果的です。簡単だからこそ続けられるというのが私の持論でもありますので、家事の合間にこまめに“ちりつも”で続けてください。それが、一生曲がらない背骨を支えてくれます」

 

また、前かがみで家事をしたり、スマホの使いすぎや運動不足なども骨盤を傾けさせる要因になるので、こちらも気をつけたい。ピンとした背すじで、見た目も内面も若々しさをキープしよう!

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