低カロリーでダイエット食材になる「もやし」だが、栄養が豊富なことは意外と知られていない。
「もやしは、豆から発芽する際にビタミンCやアスパラギン酸など、発芽前にはもっていなかった栄養素を生み出すのです。もっとも身近な緑豆もやしのほか、ブラックマッペ(黒豆もやし)など種類がありますが、なかでも『大豆もやし』の栄養価は群を抜いています」
こう話すのは、女子栄養大学名誉教授であり、『女子栄養大学の疲れをとるもやしレモン』(エクスナレッジ)の監修者でもある三浦理代先生だ。さらに「レモン」を合わせることによって、さまざまな相乗効果が生まれるという。
「その代表格が疲労回復効果です。私たちの体内には、食べたものを分解してエネルギー生産する『クエン酸回路』というシステムがあるのですが、レモンに含まれるクエン酸は、そのシステムを動かすうえで“燃料”となり、疲労のもとである乳酸も分解します。片や、もやしに含まれるアスパラギン酸は、単体でもスタミナドリンクの成分になるほどですが、クエン酸の働きもサポートします。つまり、レモンともやしの組み合わせは、ダブルの疲労回復効果を見込めるというわけです」
そんな、もやしとレモンを合わせたスーパー健康食「もやしレモン」の作り方と、「もやしレモン」を使ったレシピを紹介!
■もやしレモン
【材料】4人分
もやし…1袋(200g)
塩…大さじ2
きび砂糖(なければ白砂糖)…小さじ2
【作り方】
(1)もやしは水でさっと洗い、ざるにあけて水を切る。
(2)鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩小さじ1/4とレモン汁小さじ(いずれも分量外)を加え、もやしを入れて、30秒から1分ほどゆでる(電子レンジ〈600W〉の場合は2分加熱する)。
(3)ざるにあげて水けを切り、粗熱をとる。
(4)厚手のジッパー付きポリ袋に材料のレモン、塩、きび砂糖を混ぜ合わせ、(3)を加え和える。冷蔵庫で半日ほどおけば食べごろに。
■もやしレモンのさっぱり湯豆腐
【材料】2人分
もやしレモン…100g
絹ごし豆腐…1丁
白菜…1枚(100g)
長ねぎ…1本(100g)
しいたけ…2枚(40g)
レモン…1/2個(50g)
A(水…600ml、白だし…大さじ2)
ポン酢しょうゆ…適量
【作り方】
(1)絹ごし豆腐はひと口大に切る。白菜はざく切りに、長ねぎは斜め切りに、レモンは薄めの輪切りにする。しいたけは飾り包丁を入れる。
(2)鍋にAを入れて中火にかけ、(1)ともやしレモンを入れ、温まってきたら火を止める。
(3)器に取り分け、好みでポン酢しょうゆをかける。
【材料のポイント】
豆腐のタンパク質のほか、野菜類のビタミンB1、B2、C、Dなどが加わり、栄養バランスに優れたこれからの季節におすすめの一品。レモンが加わることで、減塩効果にもつながる。
■クリームチーズの油揚げ巻き
【材料】2人分
もやしレモン…100g
油揚げ…4枚
クリームチーズ…80g
レーズン…40g
ミント…適宜
【作り方】
(1)油揚げは包丁で開き、クリームチーズは棒状に切る。
(2)(1)の油揚げにもやしレモン、クリームチーズ、レーズンをそれぞれ1/4量のせて巻き、巻き終わりをようじでとめる。これを4本作る。
(3)オーブントースターで片面2〜3分ずつ焼き、器に盛りつけ、ミントを飾る。
【材料のポイント】
油揚げの植物性タンパク質に加え、クリームチーズの動物性タンパク質とカルシウムも一緒に摂取できる。なお、にんじん、セロリなど好みのスティックを添えると、野菜の栄養も補えるのでベスト。
■納豆とアボカドの和え物
【材料】2人分
もやしレモン…100g
納豆…1パック
アボカド…1/2個(75g)
A(はちみつ…小さじ1/2、塩…小さじ1/4、黒こしょう…少々、もやしレモンの汁…大さじ1、オリーブオイル…大さじ1/2)
【作り方】
(1)アボカドは角切りにする。
(2)ボウルにAを入れて混ぜ合わせ、もやしレモン、納豆、(1)を加え和える。
【材料のポイント】
良質な植物性タンパク質を納豆から摂取。また、アボカドに良質な脂肪酸(リノール酸)やビタミンE、B2などが含まれているので、美肌効果も期待できる。
低カロリーなのに、クエン酸とアスパラギン酸をはじめ、ビタミン、食物繊維などの栄養が豊富なもやしレモン。ここに不足しがちなタンパク質を合わせれば、女性にうれしい完全栄養食のできあがり!