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「おなか周りに内臓脂肪のついている人が、生活習慣の改善を試みなければ、やがて心筋梗塞など、重篤な心疾患につながる“エイリアン脂肪”に襲われます」

 

内臓脂肪に詳しい池谷医院院長の池谷敏郎先生はこう話す。“エイリアン脂肪”とは、心臓の周りにつく脂肪のことで、密かに動脈硬化を進めて、心筋梗塞や心不全を発症させる恐ろしい脂肪だ。

 

「心臓に寄生するかのごとく付着して、命を奪うことから“エイリアン”脂肪と呼ばれています」(池谷先生・以下同)

 

エイリアン脂肪は、専門的には異所性脂肪と呼ばれ、皮下脂肪、内臓脂肪に続く、「第三の脂肪」といわれている。

 

「エイリアン脂肪は、心臓の周囲を覆うようにして蓄積し、心臓を養う冠動脈などの組織へと細い血管を伸ばします。そして、その血管から、細胞にダメージを与える毒素が送り込まれるのです」

 

この毒素とは、本来は心臓周囲に溜まった異所性脂肪を溶かし、吸収されやすくするために分泌されるものだ。しかし、この毒素が、本来守りたい血管や心臓の細胞まで傷つけてしまい、動脈硬化や心臓の機能障害の原因となってしまうのだ。

 

「通常、動脈硬化は、脂質異常や高血糖など、血管内を流れる血液の状態によって進行します。しかし、エイリアン脂肪の場合は、心臓の外側からの攻撃で急速に動脈硬化を進行させるのです。その勢いは凄まじく、エイリアン脂肪の存在によって、動脈硬化の進むスピードが約10倍になるといわれています。たとえば、動脈硬化が10年かけて悪化するのに対し、エイリアン脂肪は、1年で心臓を壊してしまうのです」

 

静かに近づき、突然症状が出たかと思うと、心臓を壊しているというから恐ろしい! 今話題の内臓脂肪が、エイリアン級に悪化しているのだから、警戒レベルはマックスだ!

 

「女性自身」2020年1月28日号 掲載

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