「私たちのカラダは春から初夏、夏へと少しずつ気温が高くなる中で、徐々に暑さに慣れていきます。でも、今年は、外出できるようになったときにはすでに気温が高くなっていたため、真夏の暑さにカラダがついていけない可能性があるのです。今年の夏は、例年以上に熱中症対策に気をつけてほしいですね」
こう語るのは管理栄養士の渥美まゆ美さん。今年は春から初夏までの「巣ごもり生活」の反動もあり「夏を満喫したい!」という人も多いはず。しかし、約3カ月の外出自粛の影響で、体のコンディションは例年以上に熱中症への注意が必要になっているかも。また、外出するときのマスク着用も熱中症のリスクを高めるといわれている。そこで、熱中症予防について渥美さんに聞いた。
こまめな水分補給が大切という認識は持っている人は多いだろうが、水分補給にも正しい水分補給と間違った水分補給があるという。
「水分補給は大切なのですが、じつは間違った熱中症対策をしている方も少なくないのです。喉が渇いたという感覚は、すでに脱水が始まっているサイン。なので、喉の渇きを自覚する前に、水分補給をすることが大切です。また、お茶やコーヒーなどのカフェインが含まれた飲み物ですと、水分補給になりません。むしろ、カフェインによる利尿作用で脱水症状になることもあるので、気をつけてくださいね」
お茶やコーヒーなどでは水分補給にならないとすると、やはり熱中症予防の水分補給は水がベスト?
「水は水分補給になりますが、じつは水だけ、というのも熱中症のリスクを高めます。汗をかくと体内からミネラルが失われます。その状態で水だけを飲むとますます体内のミネラルが不足して、その結果、熱中症につながるのです」
水分と一緒に汗で失われたミネラルの補給の方法について、渥美さんは次のように語る。
「水分は基本的には食事で補給をするのがおすすめです。1回の食事で500~700ml程度の水分を摂取できます。そのうえで、屋外での水分補給として、経口補水液や水を飲むとよいですね」
暑さで食欲がわかないときは、どうすればいいかも教えてもらった。
「食欲がない、というときでもせめて、ミネラルが豊富なフルーツや野菜を食べるようにしてください。とくに、おススメなのがキウイフルーツです。ビタミンCもたっぷり取れるので夏のお肌にうれしい果物なんですよ」
なぜ暑さで食が細くなりがちな夏場にはキウイフルーツがおすすめなのか?