長引くコロナ禍で、体も心もどうしても疲れがたまりがちに。ここでは、睡眠の質を高め、心身のリラックスに効果てきめんな簡単ヨガメソッドをご紹介ーー。
「自粛生活が長引いていることも原因のひとつだと思うのですが、最近、睡眠の質が落ちたという人や、運動不足で血液循環が滞っている人が増えているようです」
こう話すのは、ヨガインストラクターのMarikoさん。’16年4月に開設したYouTubeのヨガチャンネル「B-life」は登録者数114万人と人気を集めている。ひとつひとつのポーズをわかりやすく解説してくれるところが、初心者からも好評だ。
「ステイホームになってからは、『YouTubeで見てヨガを始めた』という感想をいただくようになりました『気持ちが明るくなった』とか、『体を動かすのが楽しくなった』といった声を聞くとうれしいですよね」(Marikoさん・以下同)
なかには、うつの症状が改善したという人もいたそうだ。Marikoさんが以前にフィットネスクラブで指導を行っていたときは、健康への意識の高い参加者が多かったが、YouTubeの視聴者は初心者や日ごろの運動の習慣がない人などさまざま。そこでいろんなメニューを考えるようになったという。そのひとつが「寝落ちヨガ」だ。
「ヨガはストレッチの効果だけでなく、深い呼吸を行うことで同時に脳をリラックスさせてくれます。特に、寝る前にヨガをすると入眠しやすくなるという特徴を生かした『寝落ちヨガ』を考えました」
そこで今回、睡眠の質を高めると同時に、女性に多く見られる不調を和らげる効果のある4つのポーズを教えてもらった。
【亀のポーズ】骨盤内の血行促進、腰痛の改善
(1)両足の裏同士をくっつけて股関節を開く。両脚でひし形をつくるように。
(2)両手をふくらはぎの後ろから通し、外側から足を包み込む。息を吸って背骨を伸ばし、吐きながら前屈。
「体が冷えやすいとか、硬くなっている人は股関節周辺をほぐすことで骨盤内の血行が促進されます。腰痛に悩んでいる人におすすめのポーズです。呼吸はゆっくりと深く、5呼吸以上行うようにしましょう。徐々に気持ちが落ち着いてきます」
【扇のポーズ】肩こり解消、自律神経を整える
(1)片足のかかとを体の中心に引き寄せる。もう片方の脚は横に伸ばせる範囲で伸ばす。
(2)息を吸いながら手を上げ、息を吐きながら伸ばしている足のほうへ上体を真横に傾ける。目線は指先に。左右で行う。
「体を横に倒すことで脇腹が伸び、肩こりを解消し、詰まっていた呼吸が通りやすくなります。自律神経を整え、リフレッシュ効果が高まります」
【ハーフサドル】ストレス解消、呼吸機能を高める
(1)座った姿勢で片方の脚を前に伸ばし、反対側の脚を折り曲げて、おしりの外側に出す。
(2)あおむけになり呼吸をしながら前太ももを伸ばす。※腰が反る場合はクッションや枕を下に入れてサポート。
(3)手は自然な位置に。頭のほうに上げると胸が広がり、よりリラックス感が高まる。
「このポーズは前太ももと腹部を伸ばし、胃の経路を刺激します。胃はストレスやネガティブな感情がたまりやすい場所。深い呼吸を繰り返すことで呼吸機能を高めながら、胃にたまった感情を吐き出しましょう」
【ワニのポーズ】内臓機能を高める、背骨・骨盤のゆがみを調整
(1)あおむけに寝て両膝を立てる。両腕は左右まっすぐに伸ばす。目線は天井に。
(2)呼吸をしながら脚を片側に倒して下半身をねじる。倒した脚と反対側に顔を向けると、首のこりがとれる。左右で行う。
「自律神経の通っている背骨・腰まわりを緩めることで、全身のゆがみを整えつつ、内臓の働きを高めます。疲れが解消され、睡眠の質を高める効果も期待できます」
「寝落ちヨガ」で、さまざまな不調や1日の疲れをリセット! ぜひお試しを♪
※各ポーズ、「呼吸をゆっくり5回分」程度を目安にリラックスして行いましょう。
「女性自身」2021年3月16日号 掲載