脳にたまった“ゴミ”が引き起こすとされている認知症。ゴミの排出に欠かせないのが、脳内の液体の流れだ。じつは睡眠時に流れが強くなるという。認知症を防ぐための習慣とはーー。
今もって根本的な治療薬がない認知症は、’25年には65歳以上の5人に1人がなるといわれている。
とりわけ認知症の6割以上を占める「アルツハイマー型」は、異常タンパク質「アミロイドβ」の脳内への蓄積が引き金となって、神経細胞の中に「タウタンパク質」(以下、タウ)がたまり、神経細胞が死んでしまい発症することが知られている。
「睡眠中は脳が少し縮むことで、脳脊髄液の流れが強くなり、タウやアミロイドβなどの脳のゴミを排出する力が高まります。睡眠時の脳のゴミの排出速度は、起きているときの2倍以上ともいわれています」
こう語るのは睡眠専門医で、雨晴クリニックの坪田聡院長。
脳のゴミを洗い流すためには良質な睡眠が欠かせないという。そこで、睡眠の質を高める“夜の習慣”を坪田先生に教えてもらった。