病気の予防および治療のための助成制度が多くの自治体で導入されている(写真:アフロ) 画像を見る

近年では、5月の大型連休を過ぎたころから一気に夏のような暑さが訪れ、エアコンは各部屋に1台の設置が必須になってきた。

 

「食料品や光熱費の値上げが続くなか、『また出費がかさむ』と嘆く人も多いでしょうが、エアコンの購入・設置に際しては代金の一部を自治体が補ってくれる制度があります。購入する前に、お住まいの自治体が実施しているかどうかを一度調べることをおすすめします」

 

そうアドバイスするのは、全国の助成金、補助金に関する情報を提供するウェブサイト「助成金なう」を運営するナビット助成金事業部の富永雅彦さん。家計を助けてくれる制度があるとなれば、使い倒さない手はないだろう。助成金や補助金というと、新型コロナに関連する支援金などが記憶に新しい。コロナが5類に移行してからも、生活を支援する制度の一部は継続されている。

 

「コロナ関連が一段落してからは、生活支援のための補助金、助成金は子育て世代や住民税非課税世帯などといったように対象が限られています。しかし、夏の熱中症対策としての省エネエアコンの購入・設置代、冬であればペレット・薪ストーブ購入・設置代の一部を補助する自治体があります。これらは全世代が対象となります。住まいの環境を整えるための補助金を活用することは、健康寿命を延ばすことにもつながります」(富永さん、以下同)

 

生活を快適にするための家電の購入のほか、医療費がかかり始める読者世代が注目しておきたいのは、病気になったときにフォローしてくれる助成制度や、予防のための検査費用の補助金だ。たとえば、健康保険には、難病など特定の病気にかかった場合に医療費の自己負担額の一部、あるいは全額を助成する「医療費助成制度」がある。

 

また、禁煙ができないヘビースモーカーの人を対象に、’06年からたばこを吸うのをやめるための治療「禁煙外来」に健康保険が適用されるようになった。これに伴い、禁煙治療にかかった際の自己負担額(上限1万〜2万円程度)を助成する自治体が増えてきた。

 

「病気の早期発見・予防に関する助成金もあります。生活習慣病をはじめ、さまざまな病気を見つけるための『健康診断』は無料で受けられますが、人間ドックや脳ドックの費用の一部を補う制度のほか、歯科検診を無料で受けられる自治体もあります」

 

加齢による免疫力の低下なども発症の原因といわれる「帯状疱疹」は、50代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するというデータも出ていることから、50歳以上80歳以下の人を対象に、帯状疱疹ワクチン接種費用の一部を助成する自治体も多くなってきているので、読者世代は活用したいところだ。

 

「病気の治療中に生活を維持するために医療器具などが必要となる場合もありますが、購入にかかる費用は基本的に健康保険の適用外で全額自費です。たとえば、抗がん剤治療中の患者さんが日常生活に困らないために使う医療用ウイッグ(かつら)。利用する人が多い物ですが、健康保険、医療費控除の対象外になっています。そこで、費用の一部を助成する自治体が出てきました。補聴器も、購入費用の一部をサポートする自治体が少しずつ広がってきています」

 

このほか、高齢になると歩くのが困難になり、杖やシルバーカーなどが必要になる場合もあるが、「要介護認定」を受けて要介護・要支援と認定されなければ使えないと思っている人は意外と多い。ところが、介護保険サービスを使わなくても、杖やシルバーカーなどを利用できる制度がある。

 

国が実施して市区町村が窓口となる「高齢者日常生活用具給付事業」は、シルバーカーや入浴する際に使ういす、浴槽用の手すりなど、足腰が不自由になってからの生活を支える補助道具が助成の対象になっている。

 

体と財布にやさしい「助成金・補助金」だが、申請にあたっては注意点があると富永さんは指摘する。

 

「補助の対象は同じでも、自治体によっては所得制限や対象年齢が定められている場合があります。申請する際には必ず自治体に問い合わせを。また、家電や医療機器などは、購入前に申請が必要になるケースも。自治体が指定する販売店で購入するというルールを設けているところもありますから、先に購入して申請できなくなってしまうことのないように注意しましょう。補助金が指定の口座に入金されるまでには数カ月かかるので、振り込まれるまでの手順などもきちんと確認しておきたいですね」

 

あなたの健康維持に役立つ制度を、ぜひ活用しよう。

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