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野菜の価格高騰が収まる気配がない。

 

一時期、1000円を超えて話題になったキャベツの現在の卸売価格は、その異常な価格からは落ち着いたものの、いまだ平年値の約2.3倍と高値で“まだまだ手が届かない”という声も多く聞かれる。

 

また、白菜に至っては、現在の価格がなんと平年値の約3.3倍にも跳ね上がっている(2月12日、農林水産省・青果卸売市場調査より)。

 

そのほかの野菜の価格も軒並み平年値を大きく上回っているなか、今が買い時ともいえる野菜が「れんこん」だ。

 

1キロあたりの市場価格は、昨年のピーク時には約1,300円まで高騰していたが、現在は約500円と半額以下に下がっている。

 

平年値と比較してもほぼ同じ価格で推移しており、手に取りやすい状況だ(農林水産省発表の農作物の市況価格を閲覧できるサービス「アグリネ」データより)。

 

れんこんの優秀な点は、価格だけではない。

 

栄養価も非常に優れている野菜だと教えてくれたのは、管理栄養士の滝野香織さんだ。

 

「れんこんの成分の約80%は水分のため“栄養が少ないのでは”と思われている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。ビタミンCや食物繊維など、毎日取りたい栄養素がしっかりと詰まっています」

 

特に多く含まれるのがビタミンC。

 

じつは、れんこんにはみかんの約1.5倍ものビタミンCが含まれているのだ。

 

「れんこんに含まれるでんぷん質が熱に弱いビタミンCを守ってくれるため、加熱してもビタミンCの残存率は62%とかなり高くなっています」(滝野さん、以下同)

 

そのため、れんこんは長時間火にかけてもビタミンCが壊れにくく、加熱調理にむいている。

 

「ビタミンCには強い抗酸化作用があり、皮膚や骨の強化、疲労回復や免疫力の向上はもちろん、動脈硬化予防効果も期待できます。

 

動脈硬化の発症や進行には活性酸素が関わっていることがわかっていますが、このビタミンCの抗酸化作用によって活性酸素から体を守り、動脈硬化を予防してくれるのです」

 

そこで、今回はれんこんを使った、動脈硬化予防の効果が期待できるレシピを3つ、滝野さんに考案してもらった。

 

1日に成人が必要とされるビタミンC量は85~100mgで、れんこん100gあたりに含まれるビタミンCは約48mg。

 

平均的なれんこん1節の重さは約180~200gで、加熱してもビタミンCは62%残るため、加熱したれんこん1節で、1日に必要なビタミンCの半分以上を摂取することができることになる。

 

また、れんこんを使うときは、皮はむいて捨てるという人も多いと思うが、捨てずにぜひ活用してほしいと滝野さんは話す。

 

「皮部分には、実はカリウムやポリフェノールといった栄養素が多く含まれています。

 

れんこんを切ったときに切り口が黒く変色していることがあると思いますが、これはれんこんに含まれるポリフェノールの一種であるタンニンが酸化したためです。

 

タンニンには抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑制してくれるので、ビタミンC同様に動脈硬化予防効果が期待できます。また、老化防止にも役立ちます」

 

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