寒くなり、「たくさん寝ているのになんだか眠い」「日中ぼーっとする」「なかなか寝つけない」と感じている人はいないだろうか。
冬は睡眠の質が下がる季節といわれている。日照時間が短くなり、太陽の光を浴びる時間が減ることでセロトニンの分泌量が減少し、神経が高ぶることで寝つきが悪くなるという。加えて、乾燥や低すぎる気温が寝ている最中の不快感を招き、熟睡を妨げる。
そんな冬の睡眠の質を改善する方法として注目されているのがキウイだ。
台湾の台北医学大学が行った実験では、睡眠障害に悩む被験者が寝る1時間前に毎晩キウイを2個食べ続けたところ、睡眠の質が改善されたというデータがある。総睡眠時間が13.4%増加、実際に眠っている時間の割合が5.41%向上したという結果が出ているのだ。
寝つくまでの時間も平均で35.4%短縮されている。
エルムクリニック麻布院・院長の横山歩依里先生によれば、キウイには睡眠の質を上げる多くの栄養が含まれているという。
「セロトニンは睡眠や覚醒のリズムを整える脳内の神経伝達物質です。キウイには、このセロトニンを体内で合成するために必要なトリプトファンが多く含まれています。
さらに、キウイの食物繊維が腸の働きをよくすることで、セロトニンの生成を促します。また、キウイに含まれる豊富なビタミンCは抗ストレスホルモンの合成に必要な栄養素で、ストレスを軽減し睡眠の質の向上が期待できます」
ほかにも葉酸やカリウム、ポリフェノールなど睡眠の質を上げるために必要な栄養素がぎっしり詰まっているキウイ。
では、睡眠効果を得るためには、どのタイミングでどれくらい食べればいいのだろうか。
■夕食後、寝る1時間前に冷やさず常温で食べよう
「寝る1時間前までを目安に、1~2個食べるのがよいとされています。胃酸過多を防ぐために空腹の状態では食べず、夕食後に食べましょう。キウイを冷やしすぎると寝る前に体が冷えてしまうので、常温状態のものがおすすめです。ハーブティーなどとあわせて食べるのもいいですね」(横山先生、以下同)
実際に、横山先生の周囲でも寝る前に毎日キウイを食べたところ、早く寝つけ、眠りも深くなったという声が多数上がっている。
「毎日の夜キウイを1~2週間続けると、睡眠の質が上がったと実感できると思います。4週間続けると効果が定着してきます。睡眠の質が安定してきたと感じたら、夜キウイの頻度を2~3日に1度にしても効果は実感できます」
夕食後に2つに切ってスプーンですくって食べるだけでOKだ。
一方で気をつけたいこともある。
「キウイはカリウムも含むので、食べすぎると利尿作用で夜間にトイレに行きたくなります。食べすぎには気をつけてください。またアレルギーがある方は注意が必要です。果物なので果糖が含まれているため、糖尿病の方も控えてください」
寝つきが悪くなるこの時季、就寝前の夜キウイでたちまちグッスリと寝て、睡眠の質を高めよう。
画像ページ >【イラスト解説あり】これでグッスリ!夜キウイの取り方(他1枚)
