「冷たい食べ物や飲み物をとりすぎても、自律神経は乱れます。それは腸も冷えてしまうから。そんな冷えから守るために、脂肪がついてしまうのです。弱りきった腸の状態を元に戻し、適度な運動をして、夏の間にたまった脂肪や疲れとともに、体重を落としていきましょう」
こう語るのは、自律神経研究の第1人者、小林弘幸順天堂大学医学部教授。先生に“夏太りを解消する知恵”を教えてもらった。
○3階までは階段で
駅でもデパートや会社でも。これだけで通常より1日2,000歩の増加になる。
○朝起きたらツイスト運動
目が覚めたらそのままあおむけになり、両膝をそろえて軽く曲げ、左右にバタンバタンと倒しながら体をひねる。倒すときに息を吐き、5分間。これで腸が活動し始める。
○ガムをかむ
その一定の咀嚼リズムで、副交感神経が効果的に優位になっていく。
○炭水化物より肉を
体重を落としたければ、肉よりも炭水化物の摂取を減らすことが重要。食事を抜くと腸が動かなくなり、自律神経のバランスが崩れ、逆効果。
○間食にはミックスナッツ
アーモンドにはビタミンB2、カシューナッツにはマグネシウムや亜鉛、クルミにはオメガ3系の脂肪酸など、多くの栄養素を1度にとれる点で優れもの。
○夕方以降のウオーキング
ジョギングよりも30分程度のウオーキングのほうが自律神経のバランス的には効果あり。夜の適度な運動は末梢の血管が開き、眠りの質がよくなったり、首や肩のこりが軽減する。
○おなかづかみ骨盤回し運動を
足を肩幅に開き、右手で腰骨の上を、左手で肋骨の下をつかみ、ゆっくり横に左右10回転ずつ。さらに両手の位置を変えて、同様に。コツは肛門をキュッと締めること。便秘の改善、冷え性や頻尿の予防にもなる。
○1日30分「片付け」の時間をつくる
整理整頓するだけでも気持ちは落ち着く。ただし、30分以上すると交感神経が優位になり、自律神経が乱れる。気になる汚れは翌日に回せばいい、という気持ちも大事。
○美術館に行く
その日常からかけ離れた空間にいるだけで、自律神経のトータルバランスが上昇していく。さらには、その空間に身を置くことで、自分を第3者的に見つめる視点が持て、心が安らぎ自律神経が安定。
○運動前に上を向いて深呼吸
これだけで自律神経は安定し、脳と筋肉が正常に活動し始める。交感神経が優位になり、代謝量が上がった後、運動を始めれば、余分なエネルギーを消費しやすくなる。