「以前は、ダイエットをしてはリバウンドを繰り返していました」
そう振り返るのは、パーソナルトレーナーのここさん(45)。学生時代の失恋をきっかけにダイエットに突き進み、「○○だけダイエット」や「ファスティング」「糖質・脂質制限ダイエット」など流行のダイエットを手あたり次第に試したそう。
「若いころはどんな方法も、とにかく頑張れば一時的には痩せられました。しかし目標体重をクリアしてもとの生活に戻ると、あっという間にリバウンド。ダイエット前より太ってしまったことも何度かあります」(ここさん、以下同)
さらに体重の増減で、健康を損なう事態にも陥ったという。
「肌が荒れ、疲れやすくて、脱毛症になったこともありました。今思えば、急激な体重変化でホルモンバランスが乱れたのでしょう」
こうした数々の失敗から、ここさんは正しいダイエットや栄養学を学び、最終的に14kgの減量に成功した。今はリバウンドもなく、女性のダイエットを指導するトレーナーとしても活動している。
「昔は『ダイエット=食事制限』という考えが強く、野菜中心の食生活で肉や魚も減らし、米はいっさい食べませんでした」
おなかがすいて甘いものが欲しくなり、ついおやつを食べてしまう。その罪悪感から食事量を減らすが、またおやつに手が伸びて……という悪循環。同じ思いを経験した人も多いのではないだろうか。
「しかし、実際に大切なのは『量』ではなく『選び方』だと気づいたのです。栄養の知識を身につけて無理のないペースで減量すれば、リバウンドもしません」
なかでも「脂質」に注目することが、脂肪を落とすために欠かせないとここさんは言う。
「バターたっぷりの洋菓子と脂質の少ない和菓子を比べたとき、同じカロリーならどちらを食べてもいい、というわけではありません。人は日々の活動で、糖質からエネルギーを消費し、糖質がなくなった後、脂質を消費します。順番を考えると、脂質のほうが蓄えやすいのは明らか。体に脂肪として蓄積されやすいため、カロリーだけで判断するダイエットは失敗するリスクが高いと思います」
おやつは全く食べてはいけないのではなく、高脂質なものを避け、甘栗やふかし芋などに替えればOKだそう。
とはいえ、いまから栄養学を学ぶのはハードルが高い……。そこで今回は、栄養や運動の正しい知識を「ダイエットクイズ」形式で教えてもらった。これまでの常識が合っているかどうか、クイズに挑戦しよう。
「たとえば『高カカオチョコレート』のように、健康的なイメージをもつ食品もありますが、それらがすべてダイエット向きとは限りません。また、『おやつにはナッツがよい』とよく聞きますが、ナッツは高脂質。たくさん食べすぎるとダイエットには逆効果です」
