「調味料を替えるだけで、料理の味は本当に変わる。いいものを使えば、2ランクはアップします」
こう語るのは、’00年にオープンした大人気の和食店「なすび亭」の店主・吉岡英尋さん。「ミシュランガイド2009」で一つ星を獲得したお店で使っている厳選調味料を教えていただいた。
《天塩やきしお》100g ¥230
「赤穂の天塩を焼いた塩。粒子が細かく、とにかくサラサラなので繊細な味付けができる。焼き魚などのふり塩に使っています」
《三州三河みりん》700ml ¥1,020
「飲めるみりん。高いけど、これを使うだけでお店の味を超えるよ。煮物は味わい深くなるし、味噌を溶かせば味噌田楽に」
《うすくちしょうゆ(ヒガシマル醤油)》500ml ¥213
「20年以上前から愛用。お吸い物やうどんのつゆなど、色をつけたくないときに。こいくちとは用途が違うから、買っておいて損はない」
《極寒仕込み 北陸》500ml ¥720
「濃度が高く食材とからみやすい醤油。味はしっかりあるのに、食材の邪魔をしないのがいい。うちでは刺身醤油としても使っています」
《本だいだいしぼり酢》720ml ¥1,500
「修行時代からの愛用品。だいだいは味の邪魔をしないから、ふぐ割烹でも使われています。みりんや砂糖、醤油を加えれば手作りポン酢になります」
《太白胡麻油》450g ¥800
「余計な香りがまったくないのがいいんです。これを入れると料理にやわらかいコクが生まれます。しょっぱくなったお新香にかけてもおいしいよ」
「お店では醤油も塩も数種類そろえて使い分けるんです。用途によって合う調味料は変わるので、ご家庭でも何種類かそろえておくことをおすすめします。大量に使う用には安いものでもかまいませんが、味のポイントとなる調味料は、いいものを買ってください。高いと言っても数千円だし、何カ月も使えるんです。それだけで『お店の味』になるんだから、安いもんですよ(笑)」(吉岡さん)