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「玉ねぎの健康機能性は非常に高いんです。新玉ねぎは、普通の玉ねぎよりみずみずしく辛味が少ないという特徴がありますが、栄養成分は同じ。特に注目すべき成分は『ケルセチン』、そして一般的には硫化アリルと呼ばれる『含硫化合物』で、どちらにも素晴らしい健康効果があります」

 

そう力説するのは、日夜玉ねぎの研究に励む博士(農学)の岡本大作さん。新玉ねぎの特徴を詳しく聞いてみた。

 

「新玉ねぎは健康成分のケルセチン、含硫化合物の含量が、普通の玉ねぎよりやや少なめです。また新玉ねぎは一般的に甘いといわれていますが、糖度が高いわけではなく、辛味が少ないからそう感じるだけなんですよ」(岡本さん・以下同)

 

2大栄養成分の含有量は多少劣るが、普通の玉ねぎより効率的に摂取できる側面もある。この2つの成分はともに水溶性のため、水にさらすと流れ出てしまいます。新玉ねぎは辛味が少ないので水にさらす必要がなく、生のまま栄養を丸ごと摂取できるのだ。

 

「ケルセチンはポリフェノールの一種の黄色い色素で、一般的に食べられる野菜のなかでは玉ねぎにもっとも多く含まれています。体脂肪を減らす効果がある食品にも与えられる『特別保健用食品(トクホ)』の成分でもあります。つまり、ダイエット効果が期待できるんです」

 

ケルセチンがいちばん豊富なのは普通の黄玉ねぎの外皮だというが、さすがにそのままでは食べにくい。新玉ねぎの可食部でも十分摂取できるので、無理せず玉を食べればいい。このケルセチンに、ほとんどの生活習慣病の予防、改善効果があるという。

 

「ケルセチンが強い抗酸化性を有することは、さまざまな研究によってすでに証明されています。まず、がん予防。動脈硬化、糖尿病などの予防にも効果があります。アレルギーの抑制もしてくれますし、紫外線から肌を守る効果も報告されています。最新の研究では、早期のアルツハイマー病の改善にも効果的といわれているんです。スゴイでしょ」

 

そしてもう1つの優秀成分が、昔から“血液サラサラ効果”で有名な含硫化合物だ。

 

「含硫化合物は、ネギ類に特有の香りのモト。玉ねぎをはじめ、にんにく、にら、らっきょうなどのネギ属に多く含まれている物質です」

 

玉ねぎには、含硫アミノ酸という、硫黄を有する形で含まれているという。

 

「血液の流れをよくする働きが有名で、血栓や動脈硬化の予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防など、血液や血管に関わる多くの生活習慣病を予防してくれます。さらに、気持ちを落ち着ける鎮静作用や、ビタミンB1と結合して疲労を回復させる作用もあります」

 

血糖値降下、そしてコレステロール降下作用もあるので、肥満や糖尿病の予防にもなる。

 

「ケルセチンと同様、活性酸素を除去する効果も高いですし、強い殺菌作用で胃炎などにも効果を発揮するとされています。このダブルパワーで、玉ねぎの生活習慣病予防効果はかなり期待値が高いんです」

 

2つの成分だけで、あらゆる病気を撃退できそう……。これほどスゴイなら、毎日モリモリ食べまくるべき?

 

「多くの研究報告を参考に私がおススメする量は、1個200グラムの玉ねぎなら、1日に3分の1個~半分。一度に大量に食べても、すべてを吸収できるわけではありません。でも、食べすぎても害はないのでご安心ください」

 

旬の今こそ新玉ねぎを毎日食べて、生活習慣病と手を切ろう!

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