「更年期を迎えると、ホルモンのバランスが崩れて情緒不安定になりイライラすることが多くなるといわれています。また年齢的に体力も低下し、『前はできてたのになんで?』と、自分の変化を受け入れられず、もっとイライラが増すことがあるようです」

 

と語るのは『精神科医が教える「怒り」を消す技術』の著者で、精神科医の備瀬哲弘先生。イライラはやがて怒りになり、その矛先は「概して、身近な家族に向けられることが多い」という。では、そんな家族の危機を避けるには、どうしたらよいのか? 備瀬先生は、怒りが頂点に達した直後の[45分間]が勝負だといいます。

 

「この時間帯が運命の分かれ道です。ここで、さらに怒りに火がつくと、他者への攻撃的な言動や八つ当たりが始まります。とにかく、怒りを感じた事柄から気をそらし、時間を稼いで逃げ切るのが得策です」

 

さっそく、その怒りをクールダウンさせる対処法を先生に教わっった。

 

【1 家事で体を動かす】鍋やフライパンをごしごしと洗ったり、掃除などでとにかく体を動かす。

 

【2 好きな香りを嗅ぐ】好きなアロマオイルを染み込ませたハンカチを鼻と口にあてて、ゆっくりと3回深呼吸。

 

【3 好きな音楽を聴く】リラックスできる姿勢で、お気に入りのCDを1枚通して聴いてみる。

 

【4 冷水で顔を洗う】冷水でバシャバシャと洗った後は、「ふぅ~」っと大きなため息を。

 

【5 速歩でウオーキング】家から出て、速歩で歩く。ペットが一緒だとさらによい。

 

【6マッスル・リラクシング】(A)両腕を垂らしたまま両肩を上げ、両手のこぶしを力いっぱい握りしめ、両肩から両腕に力を込める。息は止めた状態で10秒キープ。(B)体の力を一気に抜く。同時に口をすぼめて、ゆっくりと息を吐き出す。(C)両腕を垂らしたまま両手のこぶしだけを力いっぱい握りしめ、息は止めた状態で10秒間キープ。(D)体の力を一気に抜く。同時に口をすぼめて、ゆっくりと息を吐き出す。弛緩する筋肉に意識を集中すること。

 

【7瞑想】(A)目を閉じて、口からゆっくりと息を吐き出す。おなかがぺしゃんこになるようなイメージで。(B)鼻からゆっくりと息を吸う。そして胸、おなかがぱんぱんに膨らむようなイメージで息を吸う。(C)(A)の呼吸をくり返す。息を吐き出すときに、「リラックス」「怒りを捨て去る」「穏やかな心に戻る」と心の中で唱える。

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