「最近、食が細くて、元気が出ない……」。そんな悩みを抱えているあなたは、“寝たきり予備軍”かも。老後を元気に生きるための10品目をお教えします!

 

「寝たきりや要介護になる人のほぼ半数は、認知症の発症や転倒による骨折、衰弱が原因です」

 

こう話すのは、タニタヘルスリンクの管理栄養士で、健康運動指導士の龍口知子さんだ。厚生労働省の’16年度の調査によれば、要支援や要介護が必要になったきっかけは、認知症が18%、高齢による衰弱が13.3%、骨折・転倒が12.1%、関節疾患が10.2%となっている。

 

若いころに比べ「食欲が減った」「運動できなくなった」と実感するという声は、50代以上に多い。

 

「加齢によって、食が細くなると、外出するのがおっくうになってしまいます。すると、運動量が減り、ますますおなかが減りづらくなり、食事が細くなります。こうした負のスパイラルに陥ることで、栄養状態が悪くなってしまう。つまり、“栄養失調”の状態となり、体が弱ってしまいます」

 

“高齢栄養失調”にならないためには、どうすればいいのか? 龍口さんは、「まず、“健康的な食事”の先入観を改める必要がある」と説く。

 

「健康的な食事と聞くと、『野菜や魚』中心の食事を思い浮かべる人は多いと思います。しかし、高齢になってくると、これだけでは栄養不足です。じつは、高齢者ほど、タンパク質を多く摂取しなければいけないんです」

 

龍口さんに、将来の寝たきりを防ぐ「10品目」を教えてもらった。

 

【タンパク質】

□卵
□肉類
□魚介類
□大豆製品
□牛乳や乳製品

 

【ビタミンとミネラル】

□緑黄色野菜
□ワカメやヒジキ
□果物

 

【エネルギー】

□いも類
□油脂

 

「まず、卵、肉類、魚介類、大豆製品、牛乳や乳製品の5品目は、筋肉をつくる源であるタンパク質中心。続くかぼちゃやにんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜、ワカメやヒジキ、果物の3品目はビタミンとミネラルが多い、いも類と油脂の2品目はエネルギー源です。日常的に食べている白米やパンなどはあえて入っていません」

 

各品目を1週間で4回以上食べていれば、1点と計算し、その合計点が9点以上の人は、高齢期でも生活の質が高いという調査結果があるそう。

 

「目標達成のコツは、朝、昼で食べなかった品目を夕食で補うことです。けっして、難しく考える必要はないんです。肉類にはソーセージやハムを入れてもいいし、魚介類にはかまぼこやしらすを入れてもいい。油脂は、フライなどの揚げ物や、パンに塗るバターなどもカウントしてください。50代以降には、油を敬遠する方も多く見られますが、質のよい油を適量とることは大切です。てんぷらやオリーブオイルなどを上手に活用してほしいですね」

 

まずは「3食しっかり食べる」を心がけ、次に「毎食タンパク質を食べる」を意識しよう。

 

「肥満の度合いを示すBMIの理想値は、高齢期のほうが高めに設定されています。つまり、ちょっとふっくらしているほうが健康的だと考えられているのです」

 

そして、多品目を摂取することと同時に心がけたいのは、運動で筋肉量を維持することだという。

 

「運動習慣のない方が急に運動を始めるのは難しいものです。いつもは何げなく使っているエレベーターを『階段歩き』にすれば、インナーマッスルの大腰筋が鍛えられます。また、あえて目的地の一駅前で降りて歩数を増やすのも続けやすい習慣です。こうした習慣は6カ月継続できれば、定着するといわれています。まずは半年を目標に、無理のない食事法と運動を続けてください」