猛暑をしのぐために体を過度に冷やしがちだが、それは「快眠の敵」。的確な温め方と冷やし方で体温調節をすることが、快眠を手に入れる第一歩だ。
「猛暑でも、生活習慣を少し変えるだけで快眠体質になり、朝まで目を覚まさずに良質な睡眠をとることは可能です」
そう話すのは、『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイヤモンド社)の著者で、睡眠改善インストラクターの小林麻利子さん。そこで、小林さんに寝室での快眠体質になるための改善法をうかがった。
■エアコンは26度、湿度は50%
寝室の環境を整えるためには、エアコンの使い方が大事になる。
「夏場の室内は26度に、湿度は50%台に保ちましょう。同じ気温でも、湿度が70%を超えると、中途覚醒が1.3倍に増えることが研究でわかっています。湿度が高い場合は除湿機をかけるか、エアコンをドライにして湿度を下げてから冷房に切り替えましょう」(小林さん・以下同)
エアコンをつけっぱなしで寝るとだるくなる、という人は、エアコンの風が、直接体に当たっている可能性があるという。
「“不感気流”といって、まったく感じないくらいの気流であったとしても、冷気は睡眠を妨げることがわかっています。とはいえ、エアコンをつけないで寝ると、熱中症になるおそれも。エアコンの羽根を上向きにして、体に直接当たらないようにすれば、だるくなるのを防げます。また、冷気がなくても不感気流があったほうが深い眠りが増えることがわかっています。扇風機や空気を循環させるサーキュレーターを天井に向けて回し、気流の“ゆらぎ”をつくってあげると、より快適です。タイマー設定はオフに。途中で暑くて目が覚めることが、だるさの原因にもなります」
■夏でもレッグウオーマー
手足の冷えには注意が必要だ。
「入浴後は、血流がよくなった手足から熱を放出し、体温を下げようとします。でも、エアコンなどで手足が急に冷えすぎてしまうと、血管が収縮して、逆に熱が放出されにくくなります。すると、深部体温が下がりづらく、眠気も訪れません。体温にも表面体温と、体の奥の深部体温の2種類あって、人は、深部体温が下がるときに眠気を感じます。これを避けるには、夏でも、就寝時にレッグウオーマーをつけて足首を温めること。つけたまま眠ってもOK。そうすれば、心地よい眠りが訪れます」
睡眠の質がよくなれば、夏バテしないだけでなく、健康寿命もグンと延びる、と小林さん。さっそく、今日から“快眠ケア” を取り入れてみよう。