「長引く巣ごもり生活で運動不足のうえ、リモートワークのしすぎで首や肩がバキバキに凝ってつらい、という声をよく聞くようになりました。こり固まった筋肉は伸びないので、いきなりストレッチや筋トレをしますと、かえって痛めてしまいます。筋肉を伸ばすのではなく、逆の“縮める”動きを行うと、しつこいこりがほぐれてきますよ」
そうアドバイスするのは、理学療法士でデルタフォースジム主宰の石部伸之さん。石部さんは20年にわたり病院で患者にリハビリテーションを行っている。痛みでこり固まった筋肉を柔らかくほぐして、動かすためのコツがあるという。
「首や肩こりの原因はさまざまありますが、その多くは首や肩を支える僧帽筋や菱形筋内の筋原繊維が慢性的にけいれんしてこり固まってしまったことにあり、それを筋硬結といいます。ストレッチで筋肉を急に伸ばしても、筋硬結はほぐれず、筋肉をかえって痛めてしまいます。筋硬結をほぐすためには筋肉をいったん縮めて、血液やリンパ液を絞り出すという動作がとても有効なのです。この“縮める”動作のことを“逆ストレッチ”と呼んでいます」
そこで今回、運動不足とスマホの見すぎでバキバキの“スマホ首”を解消する逆ストレッチを教えてもらった。
■スマホ首対策
家にいてやることがないからといって一日中スマホを見てばかりいると、首に痛みやしびれが出てくる。そんなときは頭蓋骨と頸椎をつなぐ、首の後ろにある筋肉のこりを解消する「スマホ首対策」がオススメ。
【1】壁にピタリと後頭部、背中をつけて立つ。
【2】後頭部が壁から離れないように、あごを首に押し込んでいきます。あご下のたるみのシワを目立たせるようなイメージで。(7秒収縮)
「壁に後頭部、背中をピタリとつけて立ち、後頭部が壁から離れないようにあごを押し込み7秒キープします。首の後ろにある筋肉をギュッと“縮める”ことができます」
1日3〜5回は続けよう。特に、お風呂から上がって寝る前にやると、翌朝の目覚めがスッキリしてくるという。