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「ハーブというと、美容やリラクゼーションに使うもの……そんなイメージがありませんか? しかし、西洋ではハーブは薬としても使われています。古くから、病気になると身の回りのハーブで自らを癒してきた歴史があり、現在でもドイツやイギリスでは、薬局に処方用のドライハーブが並び、多くの人に愛用されているのです」

 

こう語るのは保健医療学の博士で、薬剤師の酒井美佐子さん。水戸中央病院で医療技術部部長として勤務する酒井さんは、カナダとアメリカの大学で学んだ医療用ハーブの知見をもとに、ハーブを取り入れた自然療法を行ってきた。

 

今回は、本誌で酒井さんに紹介してもらったハーブの中から、寝苦しい夏の不眠にぴったりのものをご紹介。以下のハーブは、デパートなどに入るハーブ専門店や、輸入食品店などで購入することができる。

 

《「リンデン」睡眠の質を高める 》

 

【効用】睡眠障害、むくみ、ストレス性高血圧
【禁忌・注意点】特になし

 

西欧では古くから不眠や風邪の初期、ストレス、動悸などの症状に使われてきた。鎮静作用があるため「グッドナイトティー」とも呼ばれ、花を使用したハーブティーには自然な睡眠を促す働きがあるとされる。利尿効果もあるので、むくみ解消にもよい。安全性が高く、ハーブティーとして不眠やストレス過多のときに気軽に楽しめる。

 

《「バレリアン」医薬品並みの鎮静作用 》

 

【効用】精神不安、不眠
【禁忌・注意点】妊娠中・授乳中は避ける。車の運転や機械の操作は避ける。長期摂取は副作用を起こすことがあるので避ける

 

古代ギリシャ時代から、不眠症の改善に使われた植物で、医薬品に匹敵する鎮静作用を持つ。含有成分のバレポトリエイトに、鎮痛作用や催眠作用、鎮痙作用があり、不眠や緊張を解消してくれる。強烈なにおいを発するため単品で飲むのには不適。

 

ハーブの使い方は、ハーブの有効成分をお湯で抽出したハーブティーが、副作用の危険性も少なくておすすめだ。

 

デパートや輸入食品店などで売っているハーブティーを選ぶときには、どのようなことに気を付けたらよいだろうか?

 

「日本で販売されているハーブティーの多くは、さまざまなハーブを少量ずつ混ぜたブレンドティー。目的に合わせたハーブが入っているかを確認して選ぶのがいいでしょう。もちろん、気になる不調に合わせて、気に入った種類を単品で飲むのもよいですが、中にはブレンドしないと飲みにくいハーブもあるので注意してください」

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