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「海外では、現在もハーブが医薬品として用いられています。ドイツでは、日本の厚生労働省にあたるドイツ連邦保健庁の専門委員会であるコミッションEが、医薬品としてハーブを利用する場合の安全性と効果を評価。ハーブを医薬品として承認しています」

 

こう語るのは保健医療学の博士で、薬剤師の酒井美佐子さん。水戸中央病院で医療技術部部長として勤務する酒井さんは、カナダとアメリカの大学で学んだ医療用ハーブの知見をもとに、ハーブを取り入れた自然療法を行ってきた。

 

そこで、酒井さんがおすすめしてくれた比較的入手しやすく、不調改善の効果が期待できるハーブの中から、夏の不調に効くものをピックアップしてご紹介。これらのハーブは、デパートなどに入るハーブ専門店や、輸入食品店などで購入することができる。

 

《 暑気さましには「ハイビスカス」》

 

【効用】肉体疲労、発熱
【禁忌・注意点】特になし

 

クエン酸、リンゴ酸、ミネラル(カリウムや鉄)などを含み、疲労回復効果が高い。ハーブティーは酸味のあるさっぱりした味とルビーのような深い赤色が特徴で、代謝促進、解熱作用、暑気さましのお茶として世界中で飲用されている。夏場は、ビタミンCを豊富に含むローズヒップとのブレンドや、食欲不振の際にペパーミントやレモングラスと合わせるのもよい。

 

■夏の疲れを取るハーブ

 

《 疲れを取る「マテ」》

 

【効用】精神疲労・肉体疲労
【禁忌・注意点】妊娠中、授乳は避ける。過量・長期間の飲用は避ける

 

カフェインを0.5〜0.8%含み、利尿作用がある。ハーブティーには、カルシウム、鉄分、マグネシウム、ビタミンB群やC、Eが含まれるため「飲むサラダ」として美容やダイエットに効果があると注目されている。世界の3大ティーの1つ。コミッションEでは精神・肉体の疲労に対する使用が承認されている。

 

《 クーラー冷えには「ジャーマンカモミール」》

 

【効用】冷え、胸やけ、不眠
【禁忌・注意点】キク科のブタクサアレルギーがある人は、念のため注意を

 

カモミールティーに使われるハーブ。伝統的に胸やけ、胃炎、生理痛、冷え性、不眠などさまざまな症状に使われてきた。血流を促進するため、血流悪化による、肩こり、頭痛、腰痛、婦人科系疾患などにも用いられる。クーラー冷えの対策にもよい。消炎成分のα-ビサボロール、鎮痙成分のフラボノイドなどが含まれる。

 

デパートや輸入食品店などで売っているハーブティーを選ぶときには、どのようなことに気を付けたらよいだろうか?

 

「日本で販売されているハーブティーの多くは、さまざまなハーブを少量ずつ混ぜたブレンドティー。目的に合わせたハーブが入っているかを確認して選ぶのがいいでしょう。もちろん、気になる不調に合わせて、気に入った種類を単品で飲むのもよいですが、中にはブレンドしないと飲みにくいハーブもあるので注意してください」

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